やすらぎの刻〜道 いよいよ最終回
「やすらぎの刻〜道」がいよいよ今週で終わりになります。
倉本聰さんがまた長編ドラマを書いてくださったということ、そこにまず感動なのに、「やすらぎ」シリーズはとにかくおもしろかったです。
笑える要素はもちろん、「見たことない」という斬新さ、時事問題がふんだんに取り入れられている鋭さ、そしてタブーのなさ。
こちらにもそのあたりのエピソードが書かれてます。
八千草薫ほか7人の遺作に。倉本聰の「やすらぎの郷」「やすらぎの刻〜道」制作奮闘記
まず「帯ドラマはこうでなくっちゃ!」という安心感がずっとありました。
それは老若男女が見てすぐ理解できるもの・楽しめるもの。
若い人がどんなに上手におばちゃん役を演じてても、本当のベテラン俳優の凄みにはかなわない。
「やすらぎ」はお年寄りが見て、「あ、あの人誰だっけ…」「へぇ〜元気そう」というところが楽しいポイントとも言えそう。まだ年寄りじゃない私が見ても楽しめちゃう。
「北の国から」もそうだし、倉本聰さんの作品じゃないけど「男はつらいよ」もそんな安心感のある物語。
そしてツッコミどころ満載のストーリー。
大体「やすらぎの刻」の山梨・小野ケ沢の根来一家。特にきょうだいたち。
この人たち誰??と、見たことない俳優たちに「誰?」とずっと思いながら見てたものの惹きつけられてましたよね。
ただ竹下景子さんのご子息が風間俊介さんの親友・ニキビでしたが、もう一人の親友・ハゲと結局区別がつかずじまいでした。
老人になったニキビを、「郷」で大納言役だった山本圭さん、ハゲをマロ役のミッキー・カーチスさんが演じるというところがまた可笑しかった。
鉄兵兄ちゃんが藤竜也さんというところはもう驚愕しましたが、「確かに似てる!」という感動はありました。
あの意地悪だった荒木には柳生博さんかぁ!という驚きなどなど。
「道」は石坂浩二さん演じる菊村栄が執筆してる設定なので、そりゃ仲間が次々出てくるだろうと思うものの、全然知らない役者さんと混在してる妙な違和感というのか、他のドラマにはない深い味がありました。
そして倉本聰さんといえば、時代の不幸の数々を役に背負わせるという。
しのを演じる風吹ジュンさんがオレオレ詐欺にあったり、橋爪功さんと風吹さんの息子(駿河太郎さん)がなんと地面師になってて神社で劇的な現行犯逮捕。
この最終週でやっと公平もしのも穏やかな老後か…と思いきや、戦前からずっと住んできた家が四男の名義に書き換えられて借金1億円の担保になっていたとは…。
「北の国から」もそうでしたが、あんな人間味のある親の子どもたちが、なんでこんな深刻な事件ばかり起こすのかという。
そして清野菜名さん演じるしのぶは、東日本大震災の津波にのまれてしまった…。
清野菜名さんは「郷」でもおばあちゃんと津波をかぶり、「半分、青い。」と合わせると3度もこの震災の被害を受ける役をされてる!
倉本聰さんってだいぶ清野さんお気に入りなんだろうなぁと思ってたけど、しのぶの最後のあっさり具合からすると清野さんにふられちゃったのかな…
あと清掃員役がお好きな倉本聰先生です。
「道」では翔が、公平じいちゃんの浮気のカタをつけるために(「オモチャ」の女将・高橋由美子さんに手を出し損ねたのに)真木蔵人さんの会社のバキュームカー清掃を請け負うという。
これだけでツッコミどころ満載ですが、昼時に翔が何度もえづいてたのが今じゃ懐かしい。
「北の国から」では、都会の生活に疲れきった純がごみ収集の仕事してました。
それでシュウちゃんと出会うんだけど。
倉本聰さんは主役に底辺みたいな世界を見せたあと美女と結びつけるという、人生の起伏をとにかく激しく描くんですよね。それがおもしろいのです。
そして「やすらぎ」といえば戦争。
この帯ドラマでよくぞ描いてくれたと感謝の念がこみ上げるほど。
戦争を体験した世代がどんどん少なくなっていく中、この時代をドラマにできる方というのはもう宝のような存在と思います。
しかも戦争反対を表明する人・徴兵拒否した男を何人も描く。
「そんなことできるの?」「そんなことしたらどうなるの?」というハラハラは、「やっぱり…」という残酷な展開に。
痛い患部をぎゅっと触られるような痛み。
そうしてでも私たちに見せて植え付けてくれなければ、若者はこの先どういう選択をするのかわからない、倉本聰さんのそんな危惧がすごく伝わったし、このドラマを見てるんなら私たちはその怖さや痛みを一生忘れてはならないという、何か託された思いがしました。
そしてやっぱり大俳優さんたちの「お見事!」な演技の数々。
「郷」では冨士眞奈美さんが最優秀助演女優賞だったなぁと勝手に思いました。
「刻」では桂木夫人を演じられた大空眞弓さんが素晴らしかった〜。
「鎌倉夫人」で大ブレークという経歴がまず可笑しいんだけど、いくつになっても夫人然としてる桂木夫人の図々しさ、虚言癖、万引き癖、認知症と、結構ひどい役なのに大空さんのコミカルな演技がむちゃくちゃ楽しかった。
認知症が進みすぎて、ズボンに袖を通してもがいたりとか、よくオファー受けたなぁと。
松原智恵子さん演じる九重めぐみさんも認知症になってしまいましたが、「認知症疑い」の役が皆さん本当に上手い!
めぐみさんを支える秀さん・藤竜也さんとの愛がまたピュアで泣けました。
せつない愛は若者でしか描けないなんてことはないんだなって。
そして「北の国から」オマージュともいえるようなセリフや出演者が続々出てきたのも嬉しかったです。
まさか吉岡秀隆さんといしだあゆみさんが「母さん…」の邂逅を果たすとはね!
ツッコミどころはまだまだたくさんありますが、思い出したら書き加えるかもしれません。

コメント