北の国から
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北の国から雪子さん
「北の国から」再放送が始まって、さぞかし世間がざわつくだろうと思ってたけど、そんなこともなかった。
周囲からも見てる声は聞かない。「北の国から始まるんだよ!しかもドラマ版!」
と、何人かに声かけしてみたけど、反応はいずれも芳しくない。
「ドラマ版!」とわざわざ強調したのに。
「スペシャル版は、いかにもなアレだけど、ドラマ版は違うよ!」
そういうメッセージを込めたんだけどな(伝わってない)
「私、昔見てなかったんだよねー」
そういう反応が2、3あった。
「だから今回も見ないかなー」という牽制っぽかった。
昔見てなかったことがなぜ今回も見ない理由になるのか、と思わなくもないけど、「この反応で察して・勘弁して!」というニュアンスはキャッチした。
優しげな牽制だった。じゃあ1人で再放送堪能してやるぜ!と日々見てるわけだけど、かつて夢中になってたとき(15年くらい前の再放送時)と感慨がなんか違う。
この手のドラマは若者だけじゃなく、今や誰にとっても重々しいのかもしれない。
なんか説教を受けてるみたいな。
ってか説教してるだろうね。役者を通しての倉本聰さんの説教。
それに感銘を受けるような人って昭和の人以外いないんじゃないかと、寂しさが押し寄せた。
改めて見ると、大滝秀治さんのインパクト強いですね。
興味本位で田舎に関わろうとする都会人への非難がすんごく強い。
その都会人バッシングを雪子が受けまくっててつらい。
写真はamazon北の国からページより しかし私は雪子派ですね!
竹下景子さん演じる雪子・ゆっこおばさんに今も昔も強く惹かれるのです。
純と螢の「叔母」という立場を自分に重ね見てるのかもしれない。
献身的に家族に尽くしてるつもりでも「しょせん身軽な独身者」と見られたり、ひとところに落ち着かない旅人的なスタンスは「覚悟がない」ということになる。
「それの何が悪いの?」「人って自由でしょ?」
と真正面から向き直る雪子ですが、「自由」がこれほど通用しないこともあるんだと、厳しい壁にぶち当たる。
草太となんとなく惹かれ合って、なんとなくイチャイチャするのも悪口を言われるわけで。
「そりゃそうだ」ってのも麓郷の事情を知るとわかるんだけど、「あんまりじゃねぇか」とも思う。「麓郷からいなくなってほしい」byつらら
「つららが家出したのは雪子さんが原因」by大滝秀治
あんまりじゃねぇか・・・
恋愛すらも自由じゃない。
草太とつららは「いつか嫁に来る」という前提での公認カップルだった。
牧場で朝から晩まで重労働・牛の糞まみれ作業・牧場を守っていく。
これを雪子さんはできますか?(できないなら麓郷を去るべき)と、それが正義みたいに突きつけられるシーンはつらかった。草太と雪子はまだ「なんとなく」の関係なんですよね。
草太が強引にキスして「受け入れられた!」と一方的に舞い上がったのは、雪子の態度が拒否じゃなかったから。
その後、「雪子」と呼び捨てにしたり、自分の牧場で働かせながら、どさくさで抱きつく草太をなんとなく受け入れたっぽい雪子。
でも、草太の恋人・つららに詰め寄られると「草太さんに何の感情もないわ」と言い放つ。
それも嘘じゃなさそう。
草太からぐいぐい来られると、ただ心の穴が埋まる気がするんじゃないのかなぁ。
激しい恋愛を終わりにしたばかりだから。
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東京の雪子と北海道の雪子は全然違う。
東京に戻れば、女の顔になる雪子。
20代半ばの強気な輝かしさ。
でも雪子は東京にも居場所はない。
不倫してたんですよねー。しかも、相手の子どもを中絶してたってこと忘れてました。
それで東京にいたくなくなって、ずっと同居してた黒板ファミリーを追っかけてきたと。
そう、この再放送ですっかり忘れてたというか、ちゃんと見てなかったようなとこがたくさんありました。
自分は子どもをおろしたのに、相手の家庭にはその子と同じ年頃の坊ちゃんがいた。
それで別れを決意した雪子は、井関(村井国夫)と喫茶店で向かい合う。
「最後に握手でもしようじゃないか。いつか街なかで会ったとき挨拶できる関係でいたいから」
この井関の提案のしょーもなさ!
「北の国から」って本当、男がしょうもないんですよね。
往生際悪いというか、本能的行動で周りを不幸にしすぎるというか。
雪子も「そんなの嫌だわ」ときっぱり拒否。
「私が下北沢に来ることはもうないわ」
「だから挨拶なんてすることもないでしょう」
「別れってそういうことじゃないかしら」そんなふうに心を井関から引き剥がした雪子はその年末、下北に降り立つ!
この回がまたなんてドラマチックだったでしょう…
年末の買い物に家族と出ていた井関は、電柱の陰にたたずむ雪子に気づく。
抱えてた紙袋を、そっと置いてまた陰に潜む雪子。
未練たらたらじゃないか!
井関は家族の目を盗んで、その紙袋に近づく。
開けると、雪子がずっと編んでいたマフラー。しかもイニシャル付き。
別れる気ゼロ!
・・こういうとこが好きなんですよね・・
激しさをたっぷりたたえた雪子。雪子はたぶん仕事がそれなりにできて、頭も良くて気が利く。
明るくて一見無邪気。
そんな姿に目を留める男は何人かいただろうけど、井関はその奥に秘められた激しさを嗅ぎ取ったのか引き出したのか。
そんな人とはそう出会えないことを雪子も感じて、一生の恋にはまっていったのでしょう。井関はそのマフラーに感動したように見えた。
2人の気持ちはまだつながっている、一瞬そう見えたけど、坊ちゃんに呼ばれた井関は紙袋を置いて去ってしまった。
ショックを受けた雪子、その表情がすごかった。
完全なるフリーズ。
1ミリも動かないのに、わなわな震える心がビシバシ伝わってくる!
関係を自分から切ったつもりなのに、切られた。
家族を選んだあの人。
楽しそうなあの人。
そんなことわかっちゃいたのに。
握手して別れようと言ってきた井関の未練に寄り添った自分はなんて愚かなのか。
捨てられたマフラーと自分を重ねれば、フっ…と笑みさえこぼれる。ばかだなーって。この一連のシーンに震えましたね。
そんな傷心抱えて富良野に戻ったら、草太が犬みたいに追っかけてくる。
数日前にはつららに「俺と一緒になるべ」と言ってたのに!(男ってやつは)
草太もまた不眠症になるほど雪子が頭から離れない。
単にめんこいからってだけじゃない何か。
でも雪子の思わせぶりな態度が草太を舞い上がらせたんでねぇかな。
東京のオフィスなら通用する曖昧さも、麓郷じゃ刺激強すぎなんでしょうね。
五郎とデキてる噂まで立っちゃうし。でも本当、いい女なんだよな、雪子。
だって、なんぼなんでも電気のない麓郷で暮らしていこうと思うかね。
火を焚いたり繕いものしたり、純と螢のほとんどお母さん。
雪道の運転で死にかけたりもして(馬に助けられた)
雪子、頑張ってるよ〜
いや、中畑のおっちゃんとかは温かく受け入れてるかな。
草太とつららの家族は冷たいっすね。
そりゃそうかもだけど…雪子の誕生日、草太の父・大滝さんから牧場解雇…ってかそもそも受け入れてないとキツく言われたその帰り道。
真っ暗な家に着いたら電気がパッとついて、五郎や純たちのハッピーバースデーソング。
初めての風力発電でサプライズ祝い!
思わず泣いてしまった雪子。
この家だけが受け入れてくれるように感じたのかな。また、雪子の激しさが、のちに螢にも引き継がれていくというね。
北の国からって、女もみんな激しいんだこれが。
第1話のオープニングがたばこ片手にイラつくいしだあゆみ(令子)というのがいいじゃないですか。
令子と雪子姉妹のトゲのある会話。
うわー名作だなと思った。
「あんたに母親の気持ちわからないでしょ」とか言われてた雪子。
令子と五郎がなぜ結婚したんだというとこは、最大の謎ですがね。今日の放送はまだ見てないけど、螢がUFOに連れ去られる回とかありましたよね。
螢をうそつき呼ばわりする純を雪子が叱るんじゃなかったかな。
母親みたいなのに、親子じゃないとちゃんと思える距離感が好きなんですよね。
つららちゃんも素敵だったけども。熊谷美由紀さん。
つららちゃんを下に見るなんてしてないのに、女として対等という気持ちがあるのに、「東京から来た女が田舎を掻き乱す」みたいに見られてしまう。
よくない感じで「上」に置かれてしまう。
大学出てる人はうちらと違うよね、と。
噂話がすぐ広まる田舎の中に、そういう目で自分を見る人がいるってつらい。
過疎の激しい地域の切実な窮屈さが、今回特に感じられてくる。
このあとは令子が病気になったり、恋人の伊丹十三が出てきたり、雪子以上に麓郷を掻き乱す女・こごみが登場したり、そう、いかだ祭りですよ!
まだまだ見どころ満載です。
北海道に音を上げた純を東京まで付き添う雪子。
このときも大滝秀治さんに「出ていくやつは負けたやつだ」とキツい話をされていた。
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北の国から2002遺言
北の国からスペシャルもついに昨日が最終回でした。
2002遺言は「田中邦衛ショー」と言っても過言ではありません。
というか、北の国からの主人公は純より螢より、五郎さんだったのだなといまさら気づきました。
北の国からスペシャルが、ドラマ時代よりどんどん感動薄れていったのは、純と螢が成長して、「すごい子役」という感動もまた当たり前のように薄れていったからかもしれません。
子役でなく、俳優さんとしての演技の素晴らしさにはもちろん毎度感動。
でも子役の演技への感心みたいのが「北の国から愛」に主につながってたことは否定できません。子役だけでなく、ドラマ時代の大滝秀治さんやいしだあゆみさん、あのころの原田美枝子さん(当時20歳くらい)、岩城滉一さん、竹下景子さんなど大人たちの演技は、スペシャル時代のなんか派手さとは違うものを放っていたよなぁ~。
2002遺言は田中邦衛ショーであるけれども、大ベテラン俳優の凄みも堪能できるものでした。
唐十郎さん、高橋昌也さん、杉浦直樹さん、地井武男さん…。岸谷五朗さんの演技にまだ若さを感じてしまうほどのベテランたちの演技。
倉本聰さんとか制作者が、ストーリーよりもそういう大人たちの年輪みたいのを見せたかったんじゃないのかな。
そして2002遺言の五郎さんの「遺言」は、倉本聰さんのメッセージでもあるのでしょう。唐十郎さんって、劇作家であるとか大鶴義丹さんの父親とかってレベルでは知っていて、お名前聞いただけで重みを感じる方ですが、TVでほとんど見たことなかった。
だけど、「これが、あの…!」と、私の耳に入ってきた噂どおり・それ以上のという凄さを、2002遺言で感じることができました。トド撃ちに沖へ出たもののいっとき行方不明になり、みんな諦めかけて心疲れていた夜明けに、吾平十郎さんが傷だらけで生還したんですよね~。
よろよろだったけど、その夜の宴はもう元気元気。
トド踊り?みたいのまで見せてくれて。
舞台で生きる唐十郎さんの真骨頂を拝めた気がして貴重なシーンです。そういう人の息子(岸谷五朗さん)から嫁を奪い、またその嫁(内田有紀さん)から結婚してほしいと迫られる純くんってのは、一体どんな魅力が放たれてるというんでしょうね。
五郎さんのDNAは確実に純くんにも受け継がれていて、だからこそ五郎さんも、
「残してやれるものは何もない」
「けど、残すべきものは残した気がする」
と最後、すがすがしい気持ちで遺書を書き上げることができたんだろうなと思いました。借金の返済が滞っていたり、結ちゃんというギリギリ人妻と結婚しようと思ってることとか、久々に純と会った五郎さんとしては寝耳に水の衝撃だとしても、人と真正面からぶつかって、顔腫らしても一度は立ち向かう。
なぜだかいろんな人に愛されている純を見て、「これでよかったんだ」ってほっとできたんだろうな。特別出演・杉浦直樹さんに遺書の添削をしてもらった当初は、
「あなたはまだ死ぬことをリアルに考えてない!」
「それが遺書に表れてる!」
と説教されて、思えばなんで死期も迫ってないのにそんな真剣に遺書かかなくちゃなんないんだって怒りそうなものを、五郎さんたら
「は、はい!すいません…!」
って、真剣にやんなきゃ~って日々遺書づくりに頭抱える。杉浦直樹さんからは逆に、五郎さんの家造りの弟子にさせてほしいと願い出を受け、教える・教えられるの相互の関係。
教える側に立つと、どうにも目の前の相手に厳しくなる。
教えられる側のストレスをぶつけるように、仕返しみたいに…って、村の衆の目にもそんなふうに映る。
あの交互の「きつすぎる指導」は、ささやかな描写だったけど楽しかったなぁ。ほんっとに今回は田中邦衛さんの演技がこんなに楽しいなんて!とワクワクして見てました。
羅臼の宴会の派手さにおののく五郎さんとか。
今までのスペシャルだってずっとコミカルだったんだけど、泣かせようという制作側の魂胆がちらついて素直に受け止められなかった。
五郎さんを人格者として描こうというような魂胆。
2002遺言では杉浦直樹さんに怒鳴ったり、「どうなのよ?」っていう親父っぷりがとても愛らしかったです。「三沢のじいさんは、もう借金なんていいと言ってた」
羅臼に来た五郎さんは純くんに告げる。草太兄ちゃん亡き後の牧場経営に失敗した純と正吉はそれぞれ富良野から去って、借金を返すために働いてきたんだけど、純くんの頑張りの糸がぷつんと切れたところから始まった2002遺言前編でした。
1500万円の借金を一時的に肩代わりしてくれたのが三沢のじいさん・高橋昌也さん。
自分に月々返済してくれたらいいからと、温かい言葉をかけてくれたじいさんも、今は寝たきりの日々。富良野に一時的に戻った純くん。
それは、中畑のおじさんの奥さん、みずえさんが癌で亡くなったから。
お葬式のために。
三沢のじいさんのところにも寄って、頭下げて謝った純くん。
だけどじいさん、「こっちこ、こっちこいって…」って激しく手招きする。近くでもっと優しい言葉かけてくれるのかな…って私も思ったら、お小水…。
早く~早く~とうめくじいさんの股間に純くんなんとかしびんを当てて、セーフ!
はぁぁ~あぁぁ~…という至福の高橋昌也さんの表情はすごく神々しかった。
あれは本当に寝たきりのおじいさんではなくて、高橋昌也さんという役者さんが演技をしているという事実。
それを忘れそうになるほどです。「三沢のじいさんから、すごくあったかいものが流れ出した」
というような純くんのモノローグも、この目の前のお年寄りの生命力が強烈に感じられて、それは高橋昌也さんだけじゃなく、世の中の寝たきりの方の生命力のことまで思い至らせるほどの、すごいものを拝めた気がしたワンシーンでした。北の国からは、ドラマ時代の大友柳太朗さん(正吉の祖父役)はじめ、大滝秀治さんや笠智衆さんなど、高齢の方の演技にいつでも胸を打たれます。
こういう方たちが、なんもなかった北海道をどう興してきたか、いろんな激しい移り変わりを見てきたけども、若者の新しい力をいつでも見守るような、大地の温かさ。
倉本聰さんの希望・不安・不満・信頼がすべてこの若者と大人の関係性に込められてるように映ります。地井武男さんもねぇ…。
「中畑のおじさん」があまりにも富良野にフィットしたもんだから、当たり前の景色として埋もれがちだったけど、五郎さんや若者にとって本当に頼もしい存在。
今の時代に珍しく、若者の見かねた態度などに苦言を述べられる大人。丸太小屋が火事で焼けちゃった時も、放心状態の五郎さんに
「村のみんなにいろいろお礼とか、そういうの俺わかんないから、中ちゃん頼む…」
と頭下げられて、
「わかった」と引き受けたあの時は、TVの前で至極ほっとしたものでした。多分このときだけでなく、子どもの送り迎えとか、街で泥酔した五郎さんの世話とか、本当に中ちゃんにはお世話になりっぱなしってことはわかりやすく前面に出てなくても、ファン視聴者みんな、中ちゃんの頼もしさ、「いてくれてホントありがとう」ってことは感じてるはずです。
いつも電車で去る人を追いかけて、走ってばかりだった螢が、最後は追いかけられる側に!
螢が向かう先は、行方不明だった正吉のもと。
現場作業員として岐阜とか栃木で働いてると、現住所書かれた手紙をくれた。追いかけているのは五郎さんです。
孫・快くんを溺愛するあまり、螢から「誘拐魔」呼ばわりされてた五郎さんは、遺書を書くときも快くんにどんなメッセージを遺そうか考えるだけで号泣。線路沿いを、複数の駅員に取り押さえられても振り払いながら、やっぱり号泣で追いかける。
でも純くんの目には「そんな父さんかっこいい」と映ったようですね。
純くんもそんな父親になりそうな情けなさが、そういえばスペシャルごとに滲んできてました。今、書店には「北の国からマガジン」が並んでますが、そこでいまさら「螢」の表記が正解だと知りました。
螢ちゃんはまた正吉と一緖に暮らせるという一見明るい未来で終わったけど、「本当の父親」のことについてどうしよっかって、また深刻な問題にぶちあたるんでしょうね。
けど螢ちゃんは生きやすさより、そういう道を選ぶ子です。
ぶつかってでも家族の絆をあきらめない子です!はぁ~ついに全編見届けることができました!
2時間ドラマ、ましてやそれ以上長い放送なんて、今なかなか見る気にもなれません。
北の国からは3時間。
ドラマ見ながらPCしてて「あ、今見てなかった」ってこともあったけど、それでもこんな長時間TVに向かわせる北の国からって、やっぱりすごいドラマです。
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北の国から’98時代
北の国から’98時代、前編後編見ました。
’98時代の印象を一言で言うと、蛍ちゃんこと中嶋朋子さんがとても美しかったということ。
宮沢りえさんよりも、というくらい。中嶋朋子さんが最優秀助演女優賞だとすると、最優秀助演男優賞は岩城滉一さんです。
「ちょっと頭悪い」
草太兄ちゃんの最大の特徴であり愛されポイントを、今回も揺るぎなく演じてくれてた!けど’98時代では最先端の機械を投入する大きな牧場主になってて、大滝秀治さん演じたお父さん亡きあとでも規模が小さくなるどころか、順調に儲けてるみたいで。
ドラマ時代のダサい草太兄ちゃんの面影は一見どこにもなく、日サロレベルに黒い岩城滉一さんがそこにはいました。「ゆきちゃん!ゆきちゃんだべ!」
けど竹下景子さん演じる雪子が富良野に来たのを見かけると、「あのころ」と同じだらしなさで駆け寄っていく岩城さん、’98時代でも健在でした。’98時代後半では、草太兄ちゃんまさかの死…なんですよね。
つらいなぁ。’98時代の印象が薄いのは、スペシャルもあのへんになってくると「北の国から」自体が全国民の期待背負っちゃってて、「ここを見せたい!」という制作側の思惑がギラついてるように感じられる気がするからです。
・蛍ちゃんと正吉の結婚・妊娠報告を聞いた五郎さんの感動の嗚咽。
(五郎さんは時代前半ではお腹の子の本当の父親知らないけど)・草太兄ちゃんの不気味なほどの優しさ
(後半の悲劇の伏線と捉えるのはひねくれてるでしょうか)・これでもかというほど不幸な蛍ちゃん
(また行方不明になってあちこちにお金の無心だなんて!)個人的に好きなところは、正吉のまめまめしさです。
純と正吉はまだ一緒に暮らしてるんだけど、正吉がいっつも奥さんみたいに正座して洗濯物たたんでるところ。
自衛隊で厳しい指導受けてきたんだなぁという想像が楽しいです。
いつでも本当に気が利くし。
正吉は’98時代前編で主役級に光ってました!…ってここまでは’98時代前編を見た直後に書いておいたのでした。
時代後編の最大の焦点は「草太兄ちゃん問題」。
純:最近の草太兄ちゃん、人が変わったよ…。
成功したらなんでもいいのかよ…。
俺、兄ちゃん嫌いになりそうだよ…。草太:・・・。
純の勇気ある苦言。
お金つぎ込んで事業をどんどん拡大している草太兄ちゃん。
その事業拡大のためには手段を選ばなくなってきて、確かに富良野の仲間からの評判がすこぶる悪い、悪くなってきてる。時代前編のエンディングは、無農薬栽培を成功させつつある五郎さんと完次VS、隣の無農薬畑で病気が発生したと聞くなり一面に農薬散布する草太というまさかの対立図式!
そんな対立は見たくなかったけど、人はどんどん変わっていく、それが世の常ということなのでしょうか。
お金と成功が絡むと人はどうしたって変わってゆく。そして純が草太兄ちゃんに苦言を呈した翌日、草太は暴風雪で倒れたトラックの下敷きになって即死…。
なに?天罰…?そのトラックは、借金を背負った完次を草太が追い詰めて富良野から半ば追い出し、完次の新婚家庭の家財道具をゴミとして運搬する作業のためのもの。
それを純に手伝ってくれとお願いしたんだけど、完次に対してのあまりの非情さとか諸々に純は「嫌だよ」と断り、そのあとたまらずに、「だって…」とあの苦言が始まったわけだけども。
まさかこうなってしまうとは。
北の国からの死のシーンはいつでも残酷です。
そして純にいろんな罪悪感をを負わせすぎです!’98時代のシュウちゃんにぞわぞわするのは、過剰なエロさゆえかなぁ。
シュウちゃんのキャラクターにどうも慣れません。富良野から車で2時間ほどの実家に帰ってるシュウちゃんと純はどんどん距離ができ、しばらく会えてなかったんだけど、五郎さんの仲介で5ヶ月ぶりに会うことに!
そのときシュウちゃんが渡したクリスマスプレゼント。
会えない間に自分の気持ちを綴ってたノート。
純に会いたい。
純に会いたい。
時にはイラスト付き。えーーっ!?
って思っちゃうけど、’98のあのころは誰にとっても嬉しいプレゼントだったのかな。
あのころの若者だったら誰でも胸震わせる、そういう時代だったんだっけ。
今の私に、どうもよみがえってこない「あのころ」。草太兄ちゃん亡き後、その牧場を継いでくれないかとまさかの打診が純と正吉に!
嫌悪していた草太兄ちゃんのここのところのやり方。
しかも相当借金も背負っていたらしい。でも、でも…。
迷う2人の目の前の雪原には、キツネがつけたであろう足跡が二股に分かれてる!
正吉はそこでコインを投げて裏・表で何かを占う。
草太の死後、そこで初めてニヤリとする2人。
北の国からのこういうところが好きだったのでした。
大きな何かに委ねるしかないね、というような。リアルタイムで’98時代を見てたときは、
「なんで草太が死なないとならんの!」
と怒ってたんだけど、今見ると、ほうぼうで「草太の遺志だから…」ってことでなんでも物事がおおごとになっていくコミカルさがある。思えば「蛍の子の父親になれ!」「蛍と結婚しろ!」と正吉の背中を押したのは草太兄ちゃんで、あのころは荒唐無稽だべって正吉も私も思ってたけど、時代後編で正吉は、「草太兄ちゃんが、神様が(僕らを結んでくれた)」と言っていた。
草太は神様に…
死後の方が強い影響力放っていて(笑)、草太の死の意味は大きいなぁ!なんて思ってしまいました。来週はいよいよ最終回、2002遺言。
これは見てないのです。
予告編では内田有紀さんに「私をお嫁さんにしてくれませんか?」みたいなこと言われてた純くん。
ってことはシュウちゃんとの別れが訪れるわけだけども。
内田有紀さんきれいだったなぁ。
純くんは美人にすぐ惚れちゃうからなぁ。
五郎さんの涙もろさは、’98時代では滝レベルです。
来週も楽しみにします。
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北の国から’95秘密
日曜20時はもれなく「北の国から」です。
’92巣立ち以降はつまらなくなったとか、’95秘密以降はもう見てないだとか、後年の北の国から批判をちょいちょいしてきたんだけど、’95秘密はほとんど見てなかったようでした。
「そんなことは全然知らなかった」
っていうシーンばっかり。
中途半端な見方してたみたい。
申し訳なかったです。特に新得駅前での純と蛍の車の中の会話シーンは記憶にまったくありませんでした。
でもTVドラマ兄妹シーンNo.1なんじゃないでしょうかね。純:お前、いつからそんな悪知恵ついたんだ?
蛍:・・・いつからかな。蛍ちゃんは緒形直人さん演じる勇ちゃんからとっくに気持ちが離れ、勤めていた札幌の病院の43歳8ヶ月の医者と不倫中だった。
駆け落ち中でもあった。
いっとき行方不明になって、医者の息子まで純のお家に押しかけてきて、それでも富良野に住むお父さんには知られないように、心配も悟られないようにしてきた純のもとに、ある日蛍が訪ねてきた。
「お兄ちゃんお金貸して」って。純は正吉君と一緒に住んでるんだけど、蛍ちゃんが訪ねてきた時には正吉は中座。
純と蛍、深刻で重苦しいムード。
蛍ちゃんはこれから根室市落石漁港の診療所へ向かうという。
その先生と、2人して雇ってもらったみたい。
新得でそこへ向かう汽車に乗る。
その新得駅まで蛍ちゃんを送る純。「ちょっと眠っていい?」
って疲れた顔した蛍ちゃんを横目でちらっと見て、心配する純。
その前に「カセットかけていい?」って蛍ちゃんが持ってきたカセットから流れてきたチェロの音に、ほっとしたように眠る蛍ちゃん。
新得駅に着いたら、「あの人、チェロ弾くの」だって!そこでニヤつく純君。
この表情は、兄妹だからできるのかなぁ。蛍:駆け落ちするっていうのに、あの人チェロ抱えてきたのよ。
純:…そいつ殴りてぇ(笑)そいつになんて口説かれたんだ?
蛍:あたしが口説いたのよ。あたしがメロメロになったの。きょうだいならではの寛容さでわりとニヤニヤ聞いてた純君だったけど、「メロメロ」のあたりから雰囲気が変わった。
「先生」のことを語る蛍ちゃんは、さっきまでの深刻さとは打って変わってメロメロな表情になったけど、何か「教祖様」を信じてるみたいな表情でもあった。
「それでいいのかな?」って恋をしている人は、ああいう独特の表情をするものかもしれません。部屋で2人深刻に話し合ってた時は、蛍ちゃんまさか死を選んだり?ってことが心配だったけど、彼の話でちょっと気分がアガった蛍ちゃんは
「お父さんには、僻地へボランティアに行ってるって言っといて」
ってワルそうに笑う。
その表情を見た純君が「いつからお前、悪知恵…」ってセリフ吐くんだけど。「…いつからかな」って、正気に返ったみたいな蛍ちゃんの顔は、まるでドラマ版のあのころの蛍ちゃんだった!
この表情には感動しました。
倉本聰さんも中嶋朋子さんも、すごいなぁ…。あのころ’95秘密をろくに見てなかった大きな要因は、宮沢りえさん演じるシュウちゃんのふわふわ具合が見ていられなかったんだと思います。
それにしても宮沢りえさんきれい!
最近の広瀬すずちゃんを見て、宮沢りえさんに似てるなぁと思ってたのですが、あのころ22歳の宮沢りえさんは広瀬すずちゃんみたいな少女の透明感に溢れてたんだなぁ。しかしシュウちゃん積極的すぎです。
純君と初めて会ったのに「お茶飲んでかない?」っておうちに誘ったり、「じゃ、電話番号教えて、いつかお礼するから」と、ひるまない積極性をさらに見せ。
「いつでも電話待ってます!」
って純君の顔を覗き込みながら言う、この積極性はどういうんでしょうね。純君も「初めて会ったのにいきなり部屋には上がらねぇぜ」ってポーズ見せたものの、その日の夜にさっそくシュウちゃん呼び出しちゃって、一気に仲は深まります。
れいちゃんとは、まだかろうじて付き合ってる’95秘密冒頭。
「今日こそ部屋に誘えるかも!」って意気込んだ純君に、「ある人からプロポーズ受けたの…」って複雑な女心見せられる。
ああいうときの男女の気持ちって、どうしてこうもちぐはぐなんでしょうね。
「そいつのとこ行くなよ!俺がいるだろ!」って言ってほしい女。
そんなこと言うわけもない男。コンプレックスのかたまりである純君は、大草原でれいちゃんを押し倒して激しく拒絶されるという。
シュウちゃんが昔AVに出てたことを知ってからの純君も、シュウちゃんを強引に押し倒してましたね。
最低じゃん!けどもシュウちゃんもまた純君押し倒して2人の関係は始まったのです。
北の国からは結構この「押し倒し」が出てくんですね。
弱い男・強い女の象徴なのかな。
五郎さんもこごみさんから押し倒し攻撃受けてた。
ここまで遺伝するのかしら…。シュウちゃんの部屋に初めて上がった純君。
最近引っ越してきたばかりのシュウちゃんの部屋にはまだテレビもコンポもなくて、いつかここに置きたいんだぁ~って夢を、ピエロのオルゴール鳴らしながら舞うように語るシュウちゃん。
あれ?この感じ。タマコの異様さに似てる気がしたのです。
「タリラリラ~♪」
って、2人の好きな映画「ライムライト」のワンシーンを自己再現してみせるタマコ。
純が勤めるガソリンスタンドで、ピザ屋の制服のまま。
「おい、やめろよ!」
ってなりそうな現代の青年ですが、純君はまんざらでもない感じでニヤニヤしてます。あちゃー純君は一旦盛り上がっちゃったら引き返せないタイプなのかもね。
思えばれいちゃんも相当積極的で、だって中学生とはいえ、小屋に誘ってシュミーズ姿さらすってさ。
しかもれいちゃんの必殺技は、電話で「怖いの…」って囁くこと。
毎回言ってんだけど、結婚式当日にまで囁かれた純君は、映画「卒業」さながらに式場向かっちゃうんだから!
まったく獅子座の男は!
純君は女運が強烈にいいとも言えるけど、それだけのリスクもまた負わねばならない金星天王星の男。このドラマは地上波では放送できないかもしれないかな。
いろいろギリギリな気がする。
でもそれがとっても美しいし胸を打つ。
何より蛍ちゃんの保険をかけない生き方。
蛍ちゃんがこういう性格のまんまで本当に良かったと思いました。蛍の不倫のことを知った五郎さんは純と一緒に落石まで来て、1年ぶりに蛍と再会できた。
五:久しぶりだなぁ。ちょっと太ったか?
蛍:いま幸せだから…。
五:そう!幸せがいちばん!
「世間的にはよくないことかもしれないけど、父さんに対して申し訳ないと思うことは、ない」’95秘密の表テーマは「誰にだって秘密がある・過去がある・秘密を抱えてこれから生きる」
でもきっと裏テーマは
「元気であれば、それでいい」
誰かのことを愛する何人かが、こんなセリフを語ってた。蛍ちゃんはずっと気を張って生きてきた。
お母さんがお父さん以外の人と仲良くしてるのを目にしたあのときからずっと。
母親代わり。お父さんのため。家族のため。純と蛍の親不孝度合いに勝手に腹立ててた時期は長かったけど、何かを「抑制」してきた分だけ社会的不良になったって、それこそが自然なのかもしれません。
TVも家電製品もない生活を続けてる五郎さんは、それだっていいんだ~ってことよく知ってるようです。
’95秘密はそこに感動したなぁ。結局、純君はれいちゃんをさらえなかった。
脳裏に浮かんだのは、社会性を捨てたような歩みで先生のもとへ向かう蛍ちゃんの後ろ姿。純:お前はダスティン・ホフマンみたいに、本当に欲しいものをさらったんだな
今の俺に、お前の姿は眩しすぎ…意外だった(純ふう)。
北の国からからこんなメッセージを投げかけられるとは。シュウちゃんが昔AVに出てたことを知ってからというもの、純君はあからさまにシュウちゃんを避けるんだけど、一緒に混浴までした五郎さんのたっての願いで、純君はしぶしぶシュウちゃんの待つ喫茶店へ向かう。
シ:今、純君にお手紙書いてたの。読み上げるね。
そんなことしたら嫌われる!ってな心の警告もむなしく、AVに出たヤバい経緯を読み上げるシュウちゃん。
だけど北の国からというドラマは、そんな「まっすぐさ」を輝かしく讃える。
そのまっすぐさだからこそ不器用に生きてきた人たちの物語。
そしてもれなく純君の胸を打ちました。
成功かっ!’95秘密は、とてもよかったです。
純とシュウちゃんが恋に落ちるあたりの若々しさも、今あんなふうに「気になってしょうがない」って恋の始まりを描けるドラマはあるかしら。
吉岡秀隆さんが相当演技うまいんだな~やっぱし。
中嶋朋子さんの相手「黒木先生」は結局出てこなかったんだけど、診療所の片隅に置かれたチェロだけで「ひっそりと秘密の恋愛してます」っていう色気をあふれさすって、か~っ!!
来週は’98時代を楽しみにします。
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北の国から’92巣立ち前編
ここのとこ楽しみにしている日曜夜8時。
BSフジで毎週、北の国からスペシャルが再放送されているのです。こないだは’92巣立ち前編。
北の国からの鮮やかな記憶は、’89帰郷で止まってました。
純と蛍の性格もどんどん屈折していって、五郎さんに降りかかる不幸の数々に耐えられなくて…。その時代時代の若者と年老いた親の問題を、すべてあの親子3人に背負わせてお茶の間の涙を誘おうという、当時はそんな派手さがTV業界全体にあったんじゃないのかな。
巣立ち以降の印象がよくなかったのは、純の女遍歴にもあると思います。
初恋や、少し関わっただけも含めると…・恵子ちゃん 連ドラ
・涼子先生(原田美枝子)連ドラ
・れいちゃん(横山めぐみ)’87初恋
・エリ(洞口依子)’89帰郷
-------ここまではまだいいとして--------
・タマコ(裕木奈江)’92巣立ち
・シュウ(宮沢りえ)’95秘密
・結(内田有紀)’2002遺言
これは吉岡秀隆さんのホロスコープ・金星あたりですが、激しいことになってますね。
波乱・いきなりの別離(天王星)、深刻すぎる恋愛(冥王星)。
(実際に内田有紀さんが書き置きを残して家を出て行ったという離婚の背景は、真実かな…)そもそも出会う女性がみんな激しい、とも言えます。
北の国から以外でも、華やかな女性との共演が多いです。
(後藤久美子さん、小雪さん、柴咲コウさんetc…)いやしかし、久々に見た巣立ち(前編)。
とてもよかったです!
久々に見た裕木奈江さんはとっても素敵でした。

裕木奈江さんって、当時すごいバッシングされてましたよね。
もともと、ふわふわした不思議キャラクターでしたけどね。
顔は夏帆ちゃんにどことなく似てる。

でも今ああいう女優さんってなかなかいないです。
空気読めない天然な感じがバッシングされてたのだろうけど、誰もかれもが空気うまく読めてるみたいなキャラクターの中においてああいう雰囲気の方ってのは、記憶に刻印されるものですね。前日にはBSで「鬼龍院花子の生涯」を見てましたが、夏目雅子さんの透明感にも匹敵するんじゃないかとすら思った。
それくらい透き通ったものを放てる女優さんが、今どこにもいないような。ラブホテルで純くんと一緒に映画見て、しかもホットドッグのケチャップで手がべたべた・真っ赤。
当時は私もあそこに嫌悪感抱いてました。
純くんの肩に頭のせといて、押し倒された途端に
「純くんそんなことする人だと思わなかった!!」
と突き飛ばして激しく泣く。(ラブホテル行こうって誘っといてその気がないとか、なんなんだよ…)
ってのはセリフになかったけど、そんな感じで急速に萎えていった吉岡秀隆さんの演技がまたすごくうまかったです。「ごめんなさい…!」
「やめろよ」
「いいの…!」「嫌いにならないで」
今度は逆にタマコにのっかられて、2人の関係が・ラブホテルでの「映画鑑賞会」が始まるわけで…。「タマコを愛していたかと問われれば、愛していなかった」
「れいちゃんのようには、愛していなかった」
「僕は不純です」
「父さん、僕は東京で不純なことをしています」いや、そんな反省することもないんだけど、それにしても20代前半男性…というか男性全般の「好きじゃなくても抱ける」というあたりへの「わからなさ」ばかりが募った。
一度なら抱ける、とかではなく、好きじゃなくても何度でも抱けるということのわからなさ。緒形直人さん演じる勇次も、蛍ちゃんに「札幌で就職してくれるのよね?(一緒に居られるのよね?)」と問い詰められて、言葉に詰まってた。
そのとき漂った、「永遠に一緒ではないかもしれない」というあの切なさ。
しかも、すぐそこに迫ってるような別れ。それをまた、蛍ちゃん押し倒すことでごまかそうとする勇次。
緒形直人さんですら…!
ショックです。富良野までゆっこおばさんを迎えに来た村井国夫さん(役)は、またも不倫をして、じきに離婚。
昨日見た限りでは、正吉が一番誠実そうだった。
蛍ちゃんと列車の中で数年ぶりに出会った自衛隊員・正吉。
富良野で降りず、通過するばっかりだったこの何ヶ月のこと、お父さんにもし会っても内緒ね…と正吉に釘刺す蛍ちゃんに
「言わねぇよ…絶対」
って、涙浮かべながら堅く守る正吉。
正吉はその後、未婚の母の蛍ちゃんと結婚するんだからさ。誠実さとはなんだろう。
「誠意って何かね?」
これがまさに巣立ち後編のテーマでしたね。
一朝一夕に完成しない丸太小屋や石造りの小屋みたいに、愛も信頼も関係性も、すぐには形成されない。
ってことは、倉本聰さんのテーマのようでもあります。すぐに結果が出ないと不幸だと思う。
自分を責める。
「すぐ」ってどんな?
1ヶ月で状況が変わらないとすぐ落ち込む。これは私のことでもあるし、周りのことでもある。
何もかもが速すぎて、年単位での努力なんて最初から頭にない。
そんな人が増えていけば、どうしたって自分の歩みは遅く思えます。さっき放送されてたNHK「プロフェッショナル」には倉本聰さんが出てらした!
「書く」ということに365日ずっと取り組まれてるという倉本さん。
時々書いたあとに吐くこともあるという。
それはなんでだと「とある人」に聞いたらば、
「誰かに書かされてるからだ」とのこと。
「サムシンググレートに書かされてる」
とも言い換えられてた。「吐き気もあるんだ、どうしたらよいのか」
と相談したらば
「お香を焚くと良い」
とのアドバイスあり。う~ん!
倉本聰さんのこういうところが好きでもあります。
北の国から(ドラマ時代)で何度も描かれたUFOとの遭遇にも通じるような。
「自分だけじゃない、もっと背後の大きなもの」
にいつでも畏敬の念を抱いてらっしゃるように思えます。巣立ち後編の、黒板五郎がタマコの叔父・菅原文太さんのもとにたくさんのカボチャを持って行って、律儀に積んでおくシーン。
あれが予告編で流れただけでも胸が痛い。
それだけでもたまらないのに、巣立ちの最後には五郎さんが丸太の下敷きになって、それを見つけた蛍の叫び声。
あー胃が痛い。倉本聰さんは、4月からテレ朝で放送される昼ドラの脚本を書かれたそうです。
「横道にそれないこと」
がプロフェッショナルなんじゃないかと、さっきおっしゃってた。
私も北の国からシリーズを最後まで今度こそ!見届けようと思います。
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北の国から’89帰郷
'89帰郷は中学時代の私のNo.1恋愛ドラマで、何度も何度も録画したビデオを見たものです。
蛍ちゃんと緒形直人さんの淡い恋愛が印象的すぎて、純くんパートの記憶が抜け落ちてました。東京のゆっこおばさんのところに下宿してる純くんは、ちょっと不良っぽくなって。
髪も赤く染めて、知り合いからバイクを安く買おうとお金を工面して。
だけどバイク買おうとしてる中で、なんかヤバそうな人たちとのつながりができてしまい、そのグループの中の1人、妹が洞口依子さん!スペシャルでは何人か、特別出演みたいな俳優が出てきます。
初のスペシャルドラマ’83冬では笠智衆さんとか、’87初恋では美保純さんが草太の新恋人として麓郷ファミリーに加わりました。’84初恋では横山めぐみさんが鮮烈デビュー。
親父さんの泥の指紋ついたお札受け取れねぇと純くんにつき返したトラック運転手は、今は亡き古尾谷雅人さん。
’89帰郷では洞口依子さんがものすごい存在感を放っていたのですね。何度も見たので、細かいところの表情やシーンもよく覚えてる。
すぐ記憶に蘇ってきたのが、洞口さんのセミヌード…というかはだけた下着姿。CはおろかAも未経験の純くんにたちまち興味を抱いて誘惑した洞口さんは、荒川あたりに浮かんだ小舟の中で純くんのズボンを下ろすも誘惑に失敗し、舟から落ちてギャーギャー泣き叫びながら、ずぶ濡れで川から上がるシーン。
小柄な洞口さんですが、お胸が豊満で…。
ちょっとしたセクシーシーンは、昔も今も楽しめるものです。洞口さんは、ちょっとヤバいお兄さんの妹、自身もヤバい子という噂。
その噂通りな誘惑ぶりだけど、でもすごく人情味ある子だということを後に純くんは知る。純くん傷害事件のきっかけとなった、泥のついたお札を盗まれたそのお札2枚のうち、1枚は洞口さんが取り返してくれて、1枚は一緒に探そうって。
「僕もこの子も、不良ではありません」
「髪型とか服装とかバイクとか、見た目で決めつけないで」
「そういう外見も、いわば個人のセンスなわけで…」’89帰郷は蛍ちゃんの恋以上に、こちらのほうが強いメッセージとして発されていたのだなと改めて感じました。
そしてさらに思うのは、「北の国から」は純くんが主役なんだということ。
そうですよね、「拝啓、恵子ちゃん」とか、純くんのモノローグで物語は語られるのですから。スペシャルでは蛍ちゃんのセリフがぐっと減っているのがなかなか寂しい。
セリフがなくても表情で多くを語る蛍ちゃんなのですが。
それでも私の中に今も根づいているいくつか。「やだーー!!」(’83冬 雪に埋もれた正吉発見時)
「お兄ちゃん、早く(ラーメン)食べよ」(’84夏)
「今そういうこと言わないでくれる?」(’87初恋)
「あの人、いるでしょ、東京行っちゃうの。明日なの。(だから、温泉行かれないの…)」(’89帰郷)
「今その話しないで…泣いちゃうから」(’89帰郷)’89帰郷の前半部分見落としたので、恋愛シーンのセリフが瞬時に出てこないことが悔しいです。
ただ「待ってました!」と思ったのが、緒形直人さんの手紙朗読シーン。「HとY、HとYって彫ってある木が…」(H…蛍 Y…勇次)
「たきさと…空知川の…」手紙の内容は、今朝見たんだという夢の話。
夢の中で蛍ちゃんと手をつないで、ダムに沈んだ勇次の故郷へとどこまでも2人で潜っていくというような。
緒形直人さんのウィスパーボイスに聞き惚れて、いつも内容の解釈まで頭が働きません。
「えっちとわい…」
っていうささやき声がこだまして、色気にノックアウトされて…。
それがラブレターなんだっていう不思議さと、でも「風の又三郎」でつながった2人ならではの文学的ロマン。勇次の東京行きが急遽決まり、16:11分札幌行きで明日発つんだと聞いた蛍ちゃんは、すかさず右斜め上部の時刻表を見やり、そのあと即、勇次に向けた表情は強く責めるような。
(でも…しょうがない…)
出かけた言葉を赤い手袋で遮るように「…わかった…」って、蛍ちゃんもささやく。蛍ちゃんといえば「走る子」でもあります。
札幌行きの列車が入線するホームに向かった勇次を、1拍おいて慌てて追いかける蛍ちゃん。
いよいよ列車が出発すると、その列車に追いつこうと、追いつきたいと駆ける蛍ちゃん。見ていた中学生のときは「陸上部?」と思うくらいな走りっぷりと、おとなしい蛍ちゃんのギャップに意外さを感じるばかりだった。
けど思えば、お母さん(いしだあゆみさん)が乗る列車を、空知川沿い走って追いかけるあの名シーンオマージュということなのでしょうね。
あの必死さ再来という。’87初恋で純くんとれいちゃんは離れ離れになりましたが(純くん東京へ・れいちゃん一家夜逃げ)、’89帰郷ではれいちゃんをついに探し当てます。
たまたまラジオから流れてきた尾崎豊「I LOVE YOU」のリクエストが、「富良野の純くんへ、札幌のれいより」!!
これまた、たまたま富良野に帰ってた純は札幌のラジオ局まで行って、このれいちゃんのリクエストハガキを職員みんなで探すのですが、今では信じられない光景です。「これじゃないか?」っておじさんが見つけてくれたハガキの住所を頼りに、れいちゃんのアパートへ赴く純くん。
「今いないわよ」って教えてくれたおばさんは勤務先情報まで提供したらしく、ロイヤルホストでアルバイトしてるれいちゃんをガラス越しに発見!個人情報!!
ストーカー!!
今の時代、人はどれだけこのワードに敏感になってしまったことでしょう。
急に憂鬱になってきます。「あの人」の住んでるおうちの前まで行ってみちゃったり、お部屋のあたり見上げたり…ってことは、もう今のドラマでもないシーンでしょうかね。
これで御用なら一体どうやって恋愛しろってんだ!
…ストーカーになりたくない心理と恋愛離れは無関係ではないような気がしたのでした。
「好きな人に手紙を書く」という行為の遠さもまた。ほか’89帰郷の個人的名ゼリフ
「やりたいかやりたくないかって、そりゃやりたいです…けど…」(洞口さんに誘惑される純)
「なんせ過疎なんで、過疎!」(DTの言い訳をする純)
「僕のお札返してください、1987年3月21日って日付の入ってる、泥の指紋がついた…」(職場の先輩に懇願する純)
「バーカ!」(懇願された職場の悪い先輩)
「見たい?」(純を元気づけようと、蛍の彼氏を見に行こうぜと誘う五郎)
「お父さん、寝ちゃだめだよ…」(泣きながら薪をくべてる純)
「寝るもんかぁ…!」(お風呂に入ってる五郎)
「怖かったの…」(純と再会したれいちゃん)
「女房?・・死にました…」(酒場で管巻く五郎。”奥さんは?”って別に誰からも聞かれてないんじゃないかという疑惑)’89帰郷の後半部分だけでもこんなに書いてしまった。
実家で全編見たら、’89パート2もありえるかもしれません。
いや、その前に傑作’84夏のことを書きたくなるかもしれない。
あれは丸太小屋火事になったりラーメン屋のシーンとか、名場面盛りだくさんなのです。吉岡秀隆さんのホロスコープを見たら、金星が天王星とコンジャンクションで冥王星も近く、これからもっと女難が待ち受けてるふうで、そんなこともまた次回以降のスペシャル見たあとに書いてしまいそう。
だけど、’92巣立ち以降の妙なサービス精神についていけなくなったのも確か。
新たな感動と衝動が沸き起こったらぜひ書いてみたいです。
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北の国から最終回
ついに・ついに・・
「北の国から」が最終回を迎えてしまいました。そのあとすぐにスペシャル版放送されるかと思ったけど、まだそんな情報は得ていません。
丸太小屋の火事も草太の失恋も、どうやらスペシャル版でのことだったようです。終盤まで数々のショッキングな出来事が起こりました。
・涼子先生との別れ
・こごみさんのスキャンダラスな噂
・つららちゃんトルコ嬢の決意
・草太兄ちゃんのボクシング惨敗と決意
・そして令子さんの死・・・まず涼子先生との別れ
やっぱり涼子先生は、どこか遠くに行ってしまったようです。
「涼子先生に会いたい!」
純くんの心の叫びは、恵子ちゃんを呼びかけるそれよりもずっと熱いもののように思えました。恋?「先生、僕にもUFO見せてください!お願いします!」
いくら小学生とはいえ、あんなふうに男児からまっすぐ気持ちをぶつけられたら、暖かいともしびが胸にポッ…と点くのではないでしょうか。
純くんの言葉を受け止める涼子先生の目はそれは揺るぎのないもので、まるで本当に地球外の存在のような鋭さ。ゾクゾクしました。そしてお母さんのお葬式のために東京に来た純くんは、昔の担任と再会したら、またそこでもたまらなく涼子先生に会いたくなる。
どこかの誰かがこの世のどこかでこんなにも自分を必要としてくれてるなんて、そのことを涼子先生が知ったら引き裂かれそうな思いになるのではないでしょうかね。
そしてこごみさん
私は正直、こごみさんが麓郷ファミリーに入ってくるのを蛍ちゃんと同じ気持ちで忌々しく思っていた。
だって、ちょっと色気出しすぎでしょ。
特に口元の仕草がヤバい。
ペロッと舌を出したり、甘えた仕草で爪かんだり、人目はばからず至近距離で微笑みかけたり。
けど、いつのまにか蛍ちゃんは心を開いてて、お父さんのお誕生日会にまで誘ってる!
蛍ちゃんって、なんて情に厚い子なんでしょう!地井武男さん演じる中畑のおじさんも実は過去にこごみさんと火遊びしてた模様・・・。
麓郷ではほかにも何人か・・・。
五郎さんまでこごみさんにぞっこんらしいとの情報を中畑さんに伝えに来た若い友人の言葉は結構ショッキングでした。「親友がついに兄弟におなりで…(にやっ)」
これ!こんな卑猥なセリフあったんでしたっけね!
そして、元妻の死からやっと前向きになろうとしてるさびしげな五郎さんを、チャーミングさとユーモアで包んであげときながら、その直後に、とある男性の駅での栄転旅立ち姿に柱の陰から本気涙を流すこごみさん。こごみさんってホントわっかんねぇ!!
しかも五郎さんにまんまと見られちゃう。
そりゃそうでしょ、特にコソコソしてる風でもないわけだし。
けど、ここまでされたら麓郷ファミリー参入はなさそうなのでそれはほっとしました!
そのあと、東京でのお葬式から帰ってきた純くんと蛍ちゃんを出迎える五郎さんですが、悲しみの旅路から新築の丸太小屋への招待というサプライズ。
けど、やっぱり蛍ちゃんが素敵です。
「蛍、前のおうちも見たい!前のおうちも蛍のおうちだから」
台風で屋根が半分飛んでいってしまったあの古いおうち。
蛍ちゃんは、お母さんの恋人・吉野さんに古いスニーカーをあっさりと捨てられてしまったことが相当悲しかったので、その分、前のおうちへの愛着をたっぷり感じたかったのでしょうか。そこで五郎さんの告白。
「父さんは、相当参ってる…」
元妻の死、そして、離婚後の寂しさを優しく癒してくれたこごみさんすら、自分の心を満たしてくれる人ではないと分かった虚無感。
けど、この告白でさらに3人の絆は確固たるものになったのです。
最終回は、雪子おばさんの草太兄ちゃんへの呼びかけで始まります。
手紙をつづっているのです。「純と蛍はこの1年で確実に何かをつかんで富良野の住人になっているけど、私はついに旅人のままだった…」
ぐっとくる文章です。
草太兄ちゃんなら、「さすが雪ちゃん、いいこと言う!」と、「名言ノート」に書き足しそう。草太兄ちゃんのボクシングデビューは、散々な結果となりました。
つららちゃんがトルコ嬢となってることを試合直前に知り、身も心もぼろぼろに。
目を腫らしてトボトボと駅に降り立った草太兄ちゃんを出迎えたのは雪子。あの駅って、本当に数々のドラマを生み出します。
あのガラスの入り口がまた、寒い中で吐息つく待ち人を美しく透かすのですよね。
蛍ちゃんが、後に緒形直人さん演じる恋人と駅で別れるシーンも、私の記憶に鮮明に残ってます。
そんな美しい想い人の待ち伏せに、浮かない顔の草太兄ちゃん。
喫茶店でコーヒーを飲む2人ですが、これまた雪子さんが草太兄ちゃんのカップにお砂糖まで入れてあげてかき混ぜてあげて、しかもからっと男前に。
「適当に入れるわよ。甘すぎたかな?」
かっこいいし色気。そして草太の衝撃の決断。
「2年8ヶ月はゆきちゃんと会わねぇと、オラ決めた」って、なんだよ、その年月。聞けば、つららちゃんと出会って付き合って別れるまでのとしつき分、雪子さんと会わないと。
つららちゃんをトルコ嬢にさせてしまったのは自分だと思ったのか、自分への罰か禊か、雪子断ちの決意。
あんぐり。
しかもしかも「2年8ヶ月後、オラは32になってるけど、雪ちゃんはいくつだ?
富良野にまだいるか?」
・・・つなぎとめようとするなよな・・・。草太の恋愛哲学もイマイチ理解しにくいことのひとつです。
もっと硬派であるべきポイントがいくつもあったでしょうに。雪子さんは、相当な決意を持って富良野の駅に迎えにいったはず。
そこで結ばれてもいいというくらいに。負けてもプロポーズを受けるつもりでいたのではないかと。
そして最終回冒頭の手紙。「2年8ヶ月後、私は28歳になってます」
おいおい!
草太を富良野を、愛してしまったのですね…。
ささやかな逆プロポーズです。
ここ、草太に通じるでしょうか。この雪子さんの決意には草太の父、大滝秀治さん演じる清吉さんの存在が大きかった。
令子さんのお葬式での清吉さんは、本当に温かい。雪子さんを救った。純と蛍も救われた。五郎さんの名誉も守った。
大滝秀治さんの演技って、人生のいろんなことを教えてもらった心地になります。
頭の固いはずのあのころの大人。
だけど、いつぞやのきつい言葉を雪子さんに詫びている。
息子・草太の成長を称えている。
しょげて死人みたいな吉野さんにまで父性を注いでる。
さきほどの弱音を吐いた五郎さんといい、偉大なはずの大人のこういう実直さは、それに触れた人の中に、清々しい支柱をスッと形成するのではないだろうか。
最後は、純くんから天国のお母さんへのお手紙です。
「お母さんが見てた雲はどれだろうねって、蛍といつも話してます」
うう・・・
お母さんの純くん・蛍ちゃんへの書きかけの手紙は、富良野で見た雲の話の途中で絶筆となっています。
こういうところ、倉本さんって酷に描き出しますよね。
子どもはもまれてもまれて大きくなる、その揉む加減がかなり見ててもきつい。
だけど真実味がある。
私たちは幼いころから、確かにたくさんのことで傷ついてきた。
大人の何気ない言葉や勝手に持たれた印象。
嫌でしょうがないことへの取り組みや、大人同士のけんかから見える本音。
そして誰かの死。最終回では1話からのハイライトが流れます。
どのシーンも本当に胸いっぱいで、おそらくこれからも何回見ても同じところで泣けてくる。
純くんと蛍ちゃんの顔つきも、がらっと変わっていました。
手紙の中では「蛍は10センチも身長伸びたよ」とお母さんに報告してます。こんなに愛あふれる環境で、東京の子どもたちよりたくさんのこと乗り越えてたくましく育ってる2人は、だけど思春期以降のスペシャルではずいぶん屈折したエピソード満載となってしまっています。
私はそれが不満。
お父さんを悲しませすぎです。
そして五郎さんもスペシャルごとに萎縮したキャラクターになっていくのも残念。
大体純くんは女運悪すぎです。
いや、いい女とばっかり付き合ってるから悪いってことはないのか。
もうシュウちゃんとのエピソードで飽き飽きしてしまい、その後のスペシャルは実は見ていません。蛍ちゃんだっていろいろ紆余曲折経て、旦那は正吉くんなんだっけ?
と、ここでウィキペディアで調べてみるとなんとっ!
正吉とも離婚してたとは・・。正吉の借金問題で。
純くんは内田有紀さんとドラマでも結婚したのだと思ったら、まだ未婚。私は、草太兄ちゃんが死んでしまってから、もう見ないという決意をしてしまった。
あのキャラクターを殺さないといけない事情が分かりません。あーいや、でも北の国から批判で終わりたくありません。
また「北の国から」を作ってほしいとは言わない。
でも倉本聰さんなら、今の時代こそ私たちに届けなきゃいけないメッセージがあるはず。
正吉のおじいさんの、笠松のじいさんのように。
それとも、もういろんなことに失望してしまってるでしょうか。
舞台は、演出されてますね。
TVにはもうかかわりたくないでしょうか。
もし叶うなら、地上波の民放ゴールデンでの再放送を望みます。
オリジナルのドラマよりよっぽど私たちの胸を打つはず。
私たちが震災直後のいろんなこと忘れないうちに…!
今はそのぎりぎりの時期のような気がするのです。**********************************
追記:倉本聰さんは、やはり震災後の日本について語られていました。
明確に警鐘を鳴らされている。そして「本当の感動」、最後の一行。
やはり倉本さんに諦めなどなかった。それを知ることができたのは本当にうれしい。
だけど・・・
これから時代を引っ張っていくことになる私たち世代は、なんて危なっかしいのかとも思う。
倉本さんほどのお年の方が、安心して死ねるよ、と思えないからこその最後の一行。
警鐘を鳴らしてくれる存在に甘えてはいけないのです。 -
五郎さんの夜~第19話~
「北の国から」第18話、第19話を見ました。
五郎さんの「男」の回でしたね、どちらも。この回を見てものすごく心震えた過去の記憶が呼び起こされました。
それは、五郎さんが朝帰りしたときの帰路の音楽。まさに夜明け・dawnという響きにふさわしい荘厳な音楽。
そしてまた別の何かが呼び起こされたと思ったら、まるで「未知との遭遇」や「ET」テーマ曲のような宇宙的なメロディを聴いたときのようなファンタジー感。
五郎さんは、女性の宇宙を垣間見てきたのでしょうか。
「スパゲッティ・バジリコ」
あ~この回を見た方とこの単語で盛り上がりたい。
生まれて初めて耳にしたこの単語、その響きに感動した五郎さん。
とっっても素敵。
しかも終始ウィスパーボイス。
私はこの2話で五郎さんという男性に恋しそうになりました。・まずUFOに対して疑いがない
蛍ちゃんは涼子先生についていってUFOと直接ふれあう体験をしてきたのだけど(行方不明騒動になったけど)、蛍ちゃんが報告したであろうUFO交信の一部始終を受け止めている。
一応信じてあげてるとかではなく、蛍ちゃんが嘘をつくわけがないってことを知ってるから。
「UFO見に行ってもいい?」
「あんまり遅くなるなよ」
なんて素敵な日常なのでしょう。・適度なエロさ
こごみさんとの出会いは、あのいかだ下りってことでしょうか!?
だとしたらかなり意味深な視線を積極的に投げかけてるじゃないですか、五郎さん!
五郎さんの視線は、みずみずしいメロンをほおばるこごみさんの口元。
「へへっ・・・」
何回もチラ見した挙句、いかだが急流に突っ込んで転覆。
そしてまんまとこごみさんのいかだに引き揚げられてる!
やるなあ。
涼子先生をいかだ下りに誘ったとき、もしや??な男・五郎を勘繰ってしまいましたが、あれは単なる人の良さ、親切心だったみたいですね。
その目にエロさを見つけようとしましたが、どうりで見つからなかったはず。
本当の男・五郎がこの直後に存分に現れるとは…。・適度な積極性
五郎さん、いかだ下りのあとのヘソ祭りでもこごみさんを見かけて、その夜にすぐこごみさんのお店に行っちゃって。
しかも「踊ってたでしょ…」なんて声をかけちゃう。
こういう男性の心理って、いったいどこまでを狙ってるのでしょう?
ただ一緒に飲めればそれでよし?
それともあわよくばな展開を誰しも願っているのでしょうか?
でも離婚したてだからって、子ども2人いるからって禁欲的であるよりも、女性を求める気持ちに忠実な五郎さんだからこそグッときたのです。・適度な恥じらい
最初にこごみさんのお店に行ったとき、こごみさんはすでに酔っ払ってて、いきなり五郎さんの手を握ったりスキンシップ満載だったのですが、その延長で頬にもチュッと。
そのとき五郎さん、そのほっぺを拭ったのですが、私は一瞬、神経質か?と思ってしまいました。
スケベ心を見透かされないように、精一杯の「おらァそういうつもりじゃ…」みたいな。
ところがそのあと令子さんとの結婚式回顧シーン。
令子さんが五郎さんのほっぺにチュッと。
そのときも拭ってたんですよね~。
でもそれ見たら、どちらも拭ったというより、くすぐったかった部分をちょっと確認してみた、みたいにも思えて、そしたらにわかに愛らしい仕草に思えました。・酔っ払った姿とカラオケ姿のギャップ
田中邦衛さんは、酔っ払った演技が本当にお見事!見ててとても愉快になります。
そして、離婚届受理の通知が来て落ち込んだ五郎さんは、こごみさんと1曲「銀座の恋の物語」を歌うのですが、その表情!
そんなつらい心境じゃ歌えないわよね…と思いきや、歌ってる!案外陶酔感ある表情で。
それもそのはず、奇しくも、まさに奇しくも元妻・令子さんとの結婚式で歌った曲でもあったのですから。
あのお姿、演技に間違いないはずなのですが、待てよ、演技じゃないのでは…?と思っちゃうほど、本当に誰かのつらい一日を見守ってるような、すごいリアリティを感じました。
私は五郎さんというより、このころのアラフィフ邦衛さんにドギマギきたようです。
岩城さんも、相当かっこよかったですよ。
特に、ボクシングの取材を受けるはずがオーナー(ガッツ石松さん)に妨害されてクサってる草太兄ちゃん。
汗で湿った髪型と、子どもみたいにむくれた姿にくすぐられました。
高校生のとき、ハードすぎる部活に一息ついてる好きな人を見たような。
そして、いつでも草太はオチになってしまう。
「あーあ…」と純くんにすら見守られる草太兄ちゃん。
「五郎ちゃん、だーいすき!」
こごみさんにジャンピング押し倒し技を受けて、ゴミ箱に頭をぶつける五郎さんも愛しいなぁ。
そうそう、これまた演技に思えないほどのリアリティあふれる演技をしてくれた方がいました。
それは蛍ちゃん。
涼子先生とUFO交信というものすごい体験をお兄ちゃんに話す蛍ちゃんは、まるで本当に見てきたかのようにワクワク、目がキラキラしてて、「ピュー」って宇宙船が舞う手ぶりまで、TVのこちらから見てる私まで「それで、それで?」と身を乗り出して聞きたくなるくらいワクワクさせてくれました。
麓郷での撮影中に、本当に目撃したんじゃないでしょうかね。そして興奮してお兄ちゃんに報告するものの、お兄ちゃん純くんに信じねーからなと言われて、「ぐすっ…」となっていく蛍ちゃん。
アラレちゃんのぬいぐるみを抱きしめながら。
これは演技なのですか??
こんなにみずみずしく演じられるなんて、きっと本当に富良野での撮影が楽しかったのでしょうね。
最後に!
またまた雪子さんに学びました。
純くんが、「言ってはいけない」とお父さんに言われた蛍ちゃんと涼子先生のUFOのことを新聞記者に言ってしまって、お父さんにそれを謝りながら自分も落ち込んでるところ。
ゆっこおばさんが「大丈夫!気にしなくていいのよ!」などなど、責めることなく頭をなでながら純くんを元気付けてるのですが、私もそういう大人でありたいな~と思いました。
「あんたね~…まったく」なんてちらっとも湧かない雪子さんの母性がまぶしかったですよ。何よりも身内を大切に思う雪子さん、もう五郎さんと令子さんが離婚したら身内ではなくなってしまうのに。
草太がつららちゃんのことを大事に思う姿を目の当たりにして自分の気持ちに気づき始めてますが、雪子さんは一体何を大事に思って決断を下すのか。
自分の気持ちか、麓郷の安寧か、自分を想ってくれる男か!? -
そして北の国から第7話・第8話
先日の大雪で。
なんとBSが映らなくなり、第6話は録画できませんでした。
パラボラアンテナをつけてるおうちって、もれなくBSが映らないというこんな事態に見舞われたのでしょうか。第6話って何があったのかな~
ゆっこおばさんが東京に帰るにあたって、何が起きたか。
1話抜けただけでも大変なショックです。
またまた感想を書かざるをえないほど胸打たれたこの2話。
第7話も純くんの演技に相当引き込まれました。
やっぱり草太兄ちゃんとのコミカルなやりとりがこれまた最高。
いしだあゆみさんの涙にもうなってしまいます。ぽろぽろ ぽろぽろ。
中畑さんこと地井武男さんのよその子どもへの厳しさもしっかり子どもたちの胸に届くもので、今はこういう大人ってどれくらいいるのかな、とか思ったり。そしてここまでだけでも、純くんが見た夢のお話が何度か描かれるのですが、倉本聰さんはどういう意図で夢を登場させているのでしょうか。
純くんが幼すぎて胸の内をうまく語りきれない部分を夢によって、言葉にはできない感情・心情を描いているのでしょうか。
鏡越しのお母さんや、ろうそくを手にした行列など象徴的なものから、ひとつの夢として読み取ってみたい。
それに秀逸な場面だったのが、中畑のおじさんと蛍ちゃんと純くんで車に乗ってるシーン。
地井さんと蛍ちゃんの会話はずっと続くのですが、映像はフロントガラスの内側から見た暗い雪道だけ。
ふてくされた純くんは一言も発しないのに、純くんの存在がとても大きく感じられるのです。
もうおなじみの純くんのむくれた表情まで目に浮かびます。
なんて想像力を刺激する場面なのでしょうか!!
車の中のシーンって、バックミラーに映る運転手の目と、後部座席に乗ってる浮かない顔の登場人物を交互に映すことで何事かを連想させる手法が多いと思いますが、ここでは目すら出てこない!
だけど、3人の表情はありありと浮かんできます。
その心情に思いをはせると、優しい気持ちになるから不思議で。
第7話でツボだったのは、中畑のおじさんに送り届けられた兄妹がお父さんからのクリスマスプレゼントを見つけ、一度靴を脱いだ蛍ちゃんが、まだ外にいるお父さんにたまらなく会いたくなり、急いで靴を履き直すところ。
「よいしょっ」と言わんばかりに体が斜めに傾いて、片方の手を思わず宙に上げちゃうくらいよろめきながら靴を履いて外に駆け出すのです。
やるやる、これ~。
家の近くで消防車のサイレンが止まった時、こんなふうに慌てて外に飛び出します。
蛍ちゃんは、全国のお父さんの理想の娘であること間違いありません。
そしていろいろクライマックスな第8話。
水が、ついに黒板家に通るという感動的な回です。
「北の国から」というと必ず流れる、この親子3人抱き合うシーン。
五郎さんは駆け寄ってくる子どもたちを見ると、持っていたスコップ放り投げ両手を広げて純と蛍を迎え入れる。
そうすると分かっていても、たまらなく胸を打ちます。
家に帰ると原田美枝子さん演じる小学校の担任がごはんを作ってくれていて、私も3人目の子どものように嬉しくなってしまいました。
原田美枝子さんはいつも重要な場面で出てくるのですが、時に五郎さんを勘違いさせちゃうんじゃないかというぐらい思わせぶり度高めです。「・・・すてきだわ」
2人きりの時こんなこと言われたら、「オレ…?」ってなことを99%のメンズは思うのでは?
しかも暗い雪の中、しかも原田美枝子さんに。
けど、その他1%の五郎さんはそんな勘違いとは縁遠そうなほど純粋なので、それはそれで安心です(^^)
結局はそのあとに原田さん、「・・・あなたたち」と続くのですが、五郎さんは特に勘違いしてる風でもなかったのでやはり安心しました。
この回の前半は、またしてもコミカル純ショーです。
お友達の正吉がまた演技がうまい!!
酒瓶を慌てて隠すけど隠せない純、慌てる純にまったく協力しない正吉。
そして蛍の前で、正吉に教えてもらった八代亜紀の歌を得意げに歌う純。
♪~雨 雨 ふれ ふれ 母さんが・・・あれ?
さすがにこのときの恥ずかしそうな純くんは、素の吉岡少年に思えました。そして雪子おばさんの恋。
よく見たら、雪子おばさんは聖子ちゃんカットじゃないですか!
そうですよね~この頃っていったら。。
けど、さすが道ならぬ恋をしてるだけあって、聖子ちゃんカットでもクールな色気を漂わせています。
不倫相手の村井国夫さんがまた男前で!
私は鼻の高い人の鼻の付け根部分が大好きなのですが、村井さんの鼻がまたとっても美しい。。
こんな方に恋をしてしまったら、確かに引き戻せないかもしれません。けど、今回ばかりは草太兄ちゃんに「ひどい」と一言ぶつけてしまいました。
まぁ、自分の気持ちにすっごく正直だからこそ愛すべき草太なのですが、犬だよな~。
雪子おばさんを見ると尻尾振る振る!
切ない顔のつららちゃんこと熊谷美由紀さんに「あんな男やめれ!」と忠告したいけど、あんな魅力的な草太にいっときでも愛されたら、それこそ町を離れるぐらいしないと忘れられないでしょうね。
幸せになってもらいたいな~。1980年、さよーならー!!!
大晦日の寒空の下、子どもたちと叫ぶ田中邦衛さんの一生懸命さに、少し笑ってしまいました。
なんて素敵なお父さんなんでしょうね。黒板家に幸あれ!
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北の国から第4話とか5話とか
「北の国から」って、10人いれば10人が大好きなドラマだと思ってた。
けど、職場で一人熱く「北の国から」について語っていたら、誰もついてこなかった。
そこにいた5人は、誰もほとんど見たことがないという衝撃の事実…。
みんな私と同世代か少し上なのに。あれでしょ、2時間スペシャルものなら見てたでしょ?
「さあ・・・」けど、10人いれば10人が、主役は田中邦衛さんで、純が吉岡秀隆さん、蛍が中嶋朋子さんの物語であるということは知っているのに。
いや、100人単位で知ってるはず。
しかも、もし北の国からテストがあるならば、舞台はどこかという設問には「北海道富良野」と、道名以下も全員書けるはず。
主題歌は誰が歌っているかだって全員書けるだろうし、蛍がキタキツネを呼ぶ時の掛け声だって、みんなパーフェクトな解答を知ってるはず!!なのになぜみんな見たことないと言うの?
その5人のうちの1人は、「だってぇー、暗い話嫌いなんですよぉー」とのこと。
暗いって知ってるじゃねーか!!
でも、本当にこのドラマが好きな人なら、決して暗くなんかないことはよく知ってるはず。
だってだって、田中邦衛さんの愛らしさだけで、もうコミカルな雰囲気が漂ってるし、それに子どもたちの無邪気なやり取りは毎回ある。
なんたって草太兄ちゃんがいつでも「辛気臭い顔してんじゃねーべ!」ってな感じで明るさをもたらしてくれます。そんでもうたまらないのが5話。
確かにそれまでは純の心の複雑さの独白が、純は素直にまっすぐ育つだろうか・・と心配な気持ちにさせましたが、第5話では恋に悩む草太兄ちゃんの心をもてあそぶ純の悪い顔が最高でした。
北海道での撮影はさぞかし大変だろうな…と、当時の吉岡秀隆さんに思いを馳せつつ見ていますが、あんな表情を見せてくれたならもうほっとして…。
そのあと大事な愛あふれるシーンでまた草太兄ちゃんと純が向き合うのですが、純くんが草太兄ちゃんを見つめるその視線は、演技以上のものに思えました。
それにしても吉岡秀隆さんはものすごい演技です。
もちろん蛍ちゃん役の中嶋朋子さんも。
あの年頃のちょっとしたケンカや兄・妹を許す気持ちとか、「お兄ちゃん、蛍怒ってないよ…」とか、何気ない子どものやり取りなのに涙を誘われるのです。
それに、純くんのお母さんへの複雑な気持ち、よく知らない大人への警戒感、恥ずかしいときの顔の上気とか、吉岡少年のみずみずしさは、「演技がとっても上手」な平成の子役とはやっぱ別格だなぁと思ってしまいました。
第4話は純くんの独白がなんと10分以上。
表情はさることながら、独白の声がとても胸に迫るのです。あぁそれにしても、蛍ちゃんが大人の都合の悪すぎる情景を見たときの傷ついた表情。
「…でも蛍、だいじょうぶ」
こんなセリフを本当に言ったわけではありませんが、少しうつむきながらいろんな事情を引き受けた蛍ちゃんがずいぶん大きく見えます。
そして雪子おばさんがまた、子どもの髪のほつれを直したり、抱きしめたり、子どもの心の機微を本当に大切にするすてきな東京レディーなのですね。
明るくハキハキしてるけど、男性を立て、不便すぎる家事の一切を前向きにこなし、自分の子どもじゃないのに愛情をたっぷりそそいで、自分の旦那じゃないのに五郎さんに尽くし。
見習いたいものです(絶対無理だけど)
北の国からを見るたびに毎回感想文を書くつもりってわけではないですが、あまりに毎回心震わせられるので、こちらの何かも刺激されてつい書き残しておきたくなります。
けど、北の国からを見た夜は心が潤います。
石の湯たんぽを抱いてるように、あったかくなるのです。
