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ゆめぼしブログ

あらゆる感想を興奮のまま綴るブログ。 昭和〜平成初期のドラマ・音楽が特に好きです。 星を絡めたりもします。旧ゆめぼしノート

会話備忘録

人と1日中一緒にいると、翌日すごく疲れる・・
ということを若いときから繰り返してるので、私は何かそういう性質なんだと思う。

疲れない人もいる。
でもすごく疲れる人もいる。

苦手な人=疲れるとも限らない。
いい人で、一緒にいることに安心してるのに翌日疲れることもある。
20代とか30代とか若い人は全然疲れない。
あっちは疲れてるかも。

やっぱり年齢がいくと妙な常識みたいのが育つから。
各々が培ってきた「正解」がなんて厄介なのか。

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私の職場は半分くらいが独身女性で、気づくと似たような人とばかり話している。
独身者との家族の話はせいぜい両親の老いのことくらいで、あとはTVの話、スーパーの話、美容院でのオーダーが難しくなった話などなど。
一方、新しいバイト先の女性はおそらくほとんど既婚者。
というか既婚であることが標準で多数派のはずで、私はそのことをすっかり忘れていた。
「私の夫が」「私の子どもが」
そこから語られる会話にどう対応したらいいのか、正解がわからなくなっていた。

正解も何も、「そうなんですね〜」って感じたまま言えばいいんだろうし、そう言った。
でももっと何か、気の利かせた掘り下げが必要な気がして焦る。
子持ちの友人も家族の話はよく出るけど、会話に困った記憶はない。
なのに仕事先での(まだよく知らない相手の)家庭の話に正解を探した。

「桜とひまわりと紅葉は見に行ったので、あと雪景色でコンプリートです」
また別の既婚女性からは家族で季節を巡る旅を楽しんでる話を聞いた。
きっとコンプリートできますよ。
そう言おうとしたけど、そんな返答を望んでるわけじゃないだろう。
でも、自分の季節感のない日常からするとコンプリートどころか桜の旅もままならない。
しかも、どれも車じゃないと行けないような場所で、運転手は旦那さん。
「コンプリート」というワードが持つスペシャル感が家族持ちの特権のように響き、そのことを殊更称えたかった。
家族がいるというだけで難所への旅行ができ、頑丈なマンションに住み、扱いにくいペットを飼うこともできる。
あなた恵まれてますよ!
・・・そんな返しじゃ会話にもならないだろう。

だから、正解っぽく掘り下げてみる。
「車、何時間くらいかかります?」
この掘り下げもなかなか貧弱だけど、「道の駅に寄ったりしたから、3時間くらい?」という返事にまた打ちのめされる。
道の駅・・!
郊外のイオンと道の駅は常々自分に関係のないところと思っていた。
車がある人だけが楽しめる場所、道の駅。
しかも1人で行くより家族と行った方が野菜も輝いて見えるだろう。
週末になると家族がごった返すあの郊外のレジャー施設にはとんと縁がないけども、あの混雑の中で心から楽しむ家族の話を実際聞くと、うっかり動揺してしまう。
でもそういう動揺を隠しながらまた掘り下げにチャレンジするから、へとへとになるんだと思う。

「お子さん、車酔い大丈夫ですか?」
クソつまんない疑問しか湧かない。
私の郊外クルマ旅の思い出といえば、甥っ子が車内でずっと吐いてたこと。
それでも旅行は楽しかった。
でも帰ってすぐに姉から「また行こうね」と連絡が来たときうんざりした。
家族になるとレジャーがそんなに楽しくなるんだろうか。


この間はバイト先の男性から「都内の実家は売って、今は群馬の温泉地が実家です」という話を聞いた。
その人と会話するのは2回目で、なぜそんなことをいきなりオープンにしてくれたのかわからない。
でも「温泉、いいですね〜」とは言いやすかった。
やはり「実家に行く」と「温泉に行く」がセットらしく、奥さんも喜ぶとのことだった。
「あ、奥さんいるんだ」というのが正直な心の声だったけど、それは引っ込めた。
その声に意味があるように受け取られたくないし。
あなたが既婚だろうが未婚だろうがまったくどうでもいいですよ、という雰囲気を強調した。

本当にどうでもいいはずなのに、「あ、既婚なんだ」という印象が翌日まで残るから疲れる。
「距離が近い」と感じたんだ。
その距離感で既婚なんだ…という警戒心だと思う。
「いやいや、仲間としての距離感だよ?」と言う男性はいる。
そういうタイプは危ないと、培ってきた私の経験がアラートを鳴らす。
こっちがその警戒心を見せると、「そんなつもりじゃねぇよ、ババァ」という敵対心を急に見せてくるんですよ。
本当に仲間意識が強い人は一緒にいてわかる。もっとホワッとする。
その人はどうもギラギラしてるというか。
その男性はこの間、小野花梨みたいな新人にべったりだった。

バイト先ではまだ新人なので、いろいろ聞かれることがある。
「お住まいどちら?」
私はわりと具体的に街の名前を言ったが、お相手は「私は〇〇区」と言う。
あ!と思った。
私も区で濁せばよかった。
私は住まい情報すら聞かれる・答えるという過程に「ぐぐ…」と詰まってしまう。
なぜか「言いたくない」気持ちがありつつ、でも言っといたほうが楽なこともあると知っている。
いろんなことをクローズするより、思い切ってオープンにした方が何かとスムーズなんだ。
でもその葛藤に疲れる・・

いろんな質問の中には「既婚?未婚?」という意図もあるのだろう。
少し前の自分なら、独身ですみません的なポーズで自己紹介してたけど、もうそんなことしたくない。
そしたらいつの間にか堂々たる未婚独身者になってたもんで。
別に何も恥じることもない。
心からそう思えてきたんだけど、会話のバリエーションがとても狭まってる気もする。
関心のないことをうまく掘り下げられない。
人の海外旅行もどうでもいいと思ってしまうので、韓国に行ったと言われても問いが浮かばない。
「成田?羽田?」「成田じゃ遠いね」「エクスプレス?」とか、聞かれた相手はどう思ってるだろう。
それでも嬉々として「エクスプレス好きなんだけど、高いね!」「今回は京成でゆっくりと」「しかし都営浅草線は成田行きも羽田行きもあるからすごいね」「三浦海岸も行くよ」とかとか広げてくれる友もいるので、やっぱりそういう人と仲良くなる宿命なんだろう。







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