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ゆめぼしブログ

あらゆる感想を興奮のまま綴るブログ。 昭和〜平成初期のドラマ・音楽が特に好きです。 星を絡めたりもします。

ミッションクリア体質(気を利かせるということ)

前回の記事で、男性が時代のダブルバインド(=矛盾した2つのメッセージが発せられること)で混乱してるのではないかということ書いたけど、「結局どう生きるべきなの?」という矛盾を抱えてるのは女性もまたそうだと思った。

社会進出していこう・生活をちゃんとしていこう、さらに愛する人を守ろう。
どれも頑張るしかないと感じるから、スーパーな底力を絞り出す、そして疲弊、みたいな。

「気を利かせる」ということをすっごく叩き込まれました。
それは新入社員のころ。
でも思い返せば、大学1年のときから「気が利かないバイトの子」とずっと年配の女性に言われてましたね。
おばちゃんの態度ってどれもすんごく意地悪だったからか、大学生の私は「自分はそんな悪くない」と思えて反発心丸出しにしてた。

就職するとそれは通用しない。
「こんなに気が利かない新人は初めて」「お母さんの顔が見てみたい」などなど、明らかなモラハラを浴びせられて。
「そのおかげで」、なんて言うのも癪だけど、1年も経てば「気を利かせること」がわかってきて、次第に「気づくこと」がミッションみたいになる。
「こんなとこまで気づいた自分」に誇りを持てたり、「すごーい」なんて言われてニヤついたり。
前回の記事で、男性がこぼした茶をさっと拭くのが喜びとか書いたけど、ミッション拾った快感なんだとも思う。
どこにいてもミッションセンサーを働かす。
くつろげない。


就職して2年目ごろ、学生時代の友人に、「すごく気が利くようになったよね。だって大学の時は…」と言われた。
途中で言葉を飲み込んだのも気になったし、「利くようになった」という言い回しも引っかかった。
「なった」ということは、気が利かないとずっと思われてたということか。
しかも大学時代から。
私がおばちゃんに反発して向上心など持ちようもなかったあのころ、友人からすでにジャッジされていた。
それはなかなかショックでした。

彼女は大学時代、体育会系の部活だったんですよね。
だから学生時代から「気を利かせること」が叩き込まれてたんだと思う。
私の鈍感さが気になるほどに。

25歳ごろ、それまでの内勤から外勤へ異動に。
建設業だったので、外勤というのはあのプレハブの現場みたいなとこでの事務。
男性9割。おじさん8割。全員年上。
いや〜楽だった。
過剰な気遣いなどしなくても、「よく気がつくねぇ」と感心される。
女性は私1人なので、ルールもわりと自由に決められる。
「私はお茶汲みとか、しませんので」と暗に表明しても怒る人はいない。
「気を利かせる」の熱量を半分に下げても、誰も何も言わない。
みんな自分のやるべきことをやっていて、「それでいい」という世界。
気を利かせなくて怒るのは、女性なんだろうか?

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この時期になると「名もなき家事」の話題で熱くもなりますが、「気がつくほうがやることになる」という、その気づくほうのモヤモヤが一向に晴れないまま話題は終わる。
どうしてもよく気づく人というのはいて、ミッションクリア体質になってんだと思う。
気遣いを叩き込まれたんでしょうよ。
ある意味トラウマレベルに。
そんな女性・社会人は多いんじゃないか。
だって、気が利かない=ダメな女という烙印が押されるから。
誰が押すのか?
これがはっきりしないんだけど、なんでしょうね、「その烙印だけは押されたくない」というあの恐怖。
ダメゾンビにつかまってダメ沼に沈められないよう、とにかくミッションを高スピードでクリアしていく。
よく女はマルチタスクだとか言われるけど、「あれこれ気づいて処理しなきゃ!」にやたら駆り立てられてるだけじゃないですかね。
一定の時間内に終えないと「気が利かない」「できない」と思われかねないから。

気が利かないと何が怖いかって・・・
ひとつは「だから結婚できなかったんだ」と思われることなのかな。
いつもこういうとこに帰結するのもいいかげん嫌なんだけどさ。
人として・女として、どう振る舞えば「ダメ」と見做されなくなるか、そのライン探りにアンテナを張りすぎたかもしれない。


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