舞台・映画・本等感想文
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蛭子さんの本
本を買いたくなるときというのは2種類あって、
1つは前向きさでみなぎってるとき。
もう1つは逃避したいとき。というわけで今日もまた本を買いました。

数秒の立ち読みなのに、ここに逃げ込みたくなった。
これは蛭子さんに寄せられたお悩み相談と、蛭子さんによる回答集です。
期待以上にしょーもない回答が、自分の心にフィットした。
それはまるで明るさや前向きさ、「ちゃんとすること」への反発心。
何より安いのです。900円。
ちょっとハクがついた人だと、1800円とかするでしょう。蛭子さんは葬式でどうしても笑っちゃう人として有名ですが、そういったエピソードをはじめ、とにかく”ヒンシュク”を買う人間なんだと自身で言う。
孫や子どもに関心がない、孫のことはギャンブル、映画、カレーライスの次に好き、とかですね。義理人情に厚い人は人望があるといいますが、本当ですかね。義理人情は”気持ちの貸し借り”ですよ。
確かにヒンシュク発言ばかりですが、これにはぐっときた。
日常に輝きをさほど求めなくなった今の私には、蛭子さんの世界がなんとも心地いいのです。大体が、蛭子さんの大好きな競艇ネタで埋め尽くされているこの本です。
「息子が仕事を辞めてしまった。辛抱が足りない」というお母さんの悩みに対して蛭子さんはしょっぱなから、「女房から競艇代を減らされているオレは、昼メシ代としてもらっている2千円を使わずにコツコツためています。というのも今度、住之江競艇場で…」
って人の話聞いてんだか、辛抱アピールなのか。大体こんな調子。
「楽なほうへ楽なほうへ向かっている息子さんは、そんなに間違っていませんよ」
一見カウンセラー並みのお言葉。
たぶん蛭子さんが楽したい人。「上り坂になると太川陽介さんはすごい勢いで歩くんです。上り坂など大嫌いです。人生も下り坂だけあればいいんです」
やっぱり…。
この本のお悩みを見つめると、こんな生きにくい世の中だっけ?って心が重くなる。
従来からの、学歴がどう、お金がどうとかに加えて、今は“映え”も重視。
蛭子さんに“映え”のことを相談するのもどうかと思いますが、(案の定、いいねの数なんて妬みの数、と回答)、そんな悩みでこの世は深刻ムードです。
だから蛭子さんは少しでも明るさをと、大好きな競艇ネタを盛り込んでくれてるんじゃないかしら…って解釈はファンシーすぎるかな。まだ一冊読み終えてないけれど、今まさにワクワクしています。
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「ゆきゆきて、神軍」
「ゆきゆきて、神軍」「奥崎謙三」「原一男」
この3つの単語をよく目にするものの、どんな感じの映画なのかが、なかなかつながりませんでした。
とにかくすごい映画という噂にも、何がどうすごいのかピンとこないまま。
しかも1987年の作品。
DVD買ったりしないと、見ることは叶わないんだろうなと思ってた。 が!!アップリンク渋谷で今日から、原一男監督特集だということで!
監督のトークショーつきで観てこれました。
どうやら8月は終戦シーズンということで、毎年上映されてたみたいです。
なんとなくこのドキュメンタリー映画も奥崎という男も、サブカル的な場所での人気・盛り上がりと感じてた。
実際そうなのでしょうね。 けど、それがよくわからなかった。
観終えた後、あぁこれは戦争映画だ、って捉え方だったからかな。確かに彼の強烈なキャラクターはツッコミどころ満載で、「人間の作った法律などなんだってんだ!」という、刑罰も服役も暴力も恐れない極端な生き方をカリスマ視する人たちはいるのだろうけど、もしかしたらそれは、「ゆきゆきて」後の奥崎氏の生き方込みでの評判なのかな。
この映画の始まりですでに、13年の服役経験(殺人など)のある奥崎氏。私なりに感じたことを勇気持って書いてみます。
・聞く耳を持つ
どんな人にしたって、まず「聞く耳を持とう」とすごく思った。
奥崎氏は、まず乗ってる車から物騒だった。
「殺す」と元首相の名前がでかでかと書かれた看板掲げてるし、「宇宙人」「神聖」って文字も見える。
中央に近づくと途端に警察の車両に囲まれる。
それで「法律がなんなんだ!」と拡声器でわめく。「頭おかしいね」 で、わりとすぐ片付けられちゃうこと。
でもそれで本当にいいのかな。
この映画だって、その奥崎氏にどんどん引き込まれていくのだから。 私だけじゃなく、かつての軍人たちも。「若い兵隊2人をなぜ銃殺したのか。事実を話してほしい。謝ってほしい」
ひっそり生きてきた老後、これをわめく奥崎氏が押しかけてきたら誰だって「帰ってくれ!」と、時には取っ組み合いの喧嘩にもなる。
それがだんだんと皆、変わっていく。
どうしてもすべて話すわけにいかないという老人もいたけど、つい先程までの取っ組み合いを許し合ったりもする。
みんな奥崎氏の執念に負けたように見えて、奥崎氏が何を訴えてるのか「聞く」、ということに能動的になってから、展開ががらりと変わるのです。
今はもう年老いたかつての軍人が、奥崎氏の過激な言葉や暴力によって表情もがらっと。
「ああしねぇと、生きてかれねぇんだ…」 過去がその目に引き出されたとき、怖かったし、悲しかった。・ショッキングなこと
「ゆきゆきて」がどういう映画なのかをよくわからず観に行ったので、例えば出てくる単語「人肉」にしても、私にはショックが大きかった。
「カニバリズム」ですね。
戦地に行った人は皆、一様に口が重い。
それは一種のPTSDのような、過酷な日々を忘れたいという心の傷ゆえと思ってたけど、たぶんそれだけじゃなかった。
タブーの領域を侵した人間であるということ。
それを奥崎氏や銃殺された兵士の肉親が、かつての上官から詳細を聞き出そうとするシーンで、実はちょっと気分が悪くなりました。この映画の詳細を知りたくても、なかなかたどりつけなかったわけがわかる気がした。
ちょっと書けないですね。書くことすらタブーと思えてしまう。
そして奥崎氏は、「引き金を引いたの?」「何発?」と、口が重い相手に詰め寄る。
私はタブーの事実にも怯えたけど、「これ以上はどうしても言えないんだ、わかってくれ」と言う人の、心の扉が開く瞬間を見てしまうのかな、という緊張に怯えて、胸が悪くなってしまったのだと思う。
脳みそを開ける手術を見なくちゃならない直前のような。・戦争はどうしたって起こしてはならない
奥崎氏の極端すぎる行動とエネルギーは結局ここにあるんだと思ったら、やはりそれは泣けてくるものでした。
戦争が終わったからといって、どうして忘れたり許したり、変わることできるでしょうね。
できるもんか!という人がいたって、不思議ではないです。
怒りをエネルギーにして燃やし続け・大きな大きなものを敵にし・自分も悪魔みたいにならないと、生きていかれない人が確かにいた。それでいて奥崎氏は、亡くなった兵士のお母さんのもとを訪れて、飯盒でご飯炊いて梅干しを乗せて供え、お墓に手を合わせる。
「お母さん、一緒にニューギニア行きましょう!」
お母さんのパスポートも取ってあげる奥崎氏。
奥崎氏は律儀な人なんだということも、ところどころで感じられました。
自分が人を殴っておいて、自分で通報するとか(笑)
お墓の前でお母さんが歌うシーン。
私はまだ映画の何も把握できていなかったのに、ただ胸を打たれました。・女性の日常感
奥崎氏の奥様・シズミさんがまたいつも平常心で(笑)
あんな過激な夫なのにいつでも指示に従って、時には遺族の1人として演じるよう命じられたり。
それでも奥崎氏が激昂して人につかみかかると、体を張って止めて流血。
そりゃ痛いのだろうけど、なんてことない顔してる。私はドキュメンタリーはあまり観てる方じゃなくて、森達也さんのと東海テレビ系くらいしか他は知らないのですが、例えば佐村河内氏の「FAKE」でも、あの奥様が素晴らしかった。
佐村河内氏の味方でありながらも、愛もたくましさもすべて「冷静さ」に包含されるような魅力的な人だったんですよね。
あと同じく森監督の「A2」では、麻原彰晃の三女、まだ幼いアーチャリーの日常感にも救われた。
女はいつでも男にただ従ってるように見えるけど、「生活感」のあたりがブレてなくて、それでいて「この人についていく」となったらいつでも忠実で。
後半に向けてシズミさんの存在感もどんどん増す映画でした。ラストは、ついに罪を認めようとも語ろうともしなかった元上官の身内に奥崎氏は銃を発砲し、また10年の服役が確定するのでした。
ここまででも長くなっちゃったけど、原監督のトークショーの話も少しだけ。。
「ほら、奥崎さんって服役後、AVに出たでしょ」 「ほら、奥崎さんってニューギニア行ったあと、性に目覚めちゃったから」
!!!!!
周知のことかもしれないけど、衝撃でした。
AVというか、AV的なことが含まれた出所後のドキュメンタリーなのですかね。
原監督はこの映画への不快感から、「AV」という言い方をされたのでしょう。「この本は、ほとんどが僕と奥崎さんとの確執です」
「ゆきゆきて」の裏側を知れる本があるというのは気になりました。
いろいろあったみたいですね。
奥崎謙三という人はやはりただものじゃなく、自分が監督でありたかったようで、晩年は原監督への愚痴が絶えなかったようです。そしてドキュメンタリー映画ではあるものの、自分でリハーサルしちゃうと。
初めて訪問し、初めて問い詰める体でリハーサル。
実は数日前にも訪問してたりして、いくつか本番用の演技をしてたようです(笑)
ドキュメンタリーと奥崎さんの演技の境目が、実は本人にしかわからない作品なのかな。
ドキュメンタリーといえど、そういうものかもしれないけど。
いろんなコンプレックスとか怒りとかをわーっと原動力に変え、自分がスポットライトを浴びたかった人。
「そういう人です」と締めくくっていた原監督。奥崎氏と同行しいていた男性が、語りたがらない老人に穏やかに語っていたことが印象的でした。
「今の若い人は戦争の勇ましさばかりを取り上げて、またムードが変わってきてる。
だから(下士官殺害に加担したような)あなたが体験を正直に語ってくれることが今、大事なんだ。
戦争はどれだけ残酷で、二度と起こしてはならないということに協力しなければならない」ちょっとうろ覚えで、奥崎氏の言葉も混ざっちゃってるかもしれません。
戦争は反対なんて、誰もが当たり前のように思うことだと信じつつも、「そうなったらもうしょうがないじゃん」ってあっという間に流されていきそうなムードをいつも恐れます。なんだかんだまた長くなってしまった・・ 8月のこの時期ですから、ね。
読んでいただきありがとうございます。 -
「時代屋の女房」
「時代屋の女房」
午後、BSで放送してました。
ずっしりきた。
何がずっしりかはわからないけど、「いい一日を過ごせた」って思えた。
そして多分、この先もずっと記憶に残るシーンのあれこれ。初めてこの映画を見たのはTVで、たぶん小学校高学年。
「時代屋」といえばこの2つのシーンがばちっと記憶に焼き付いてる。

涙壺を目元に当てる夏目雅子さんの美しさと、渡瀬恒彦さんと古い椅子でのキスシーン。
椅子がばりばり壊れてもキスをやめない二人。
あの頃何を感じていたか忘れたけど、そんなに性の気持ちで占められてないはず。
こんなおじさんが(当時渡瀬さん39歳)美女とすぐこんななって、その幸せぶりなど見たくないとか案外思ってたかもしれない。
物語が始まって5分もしないうちにこの展開!
それにしても、ベッドシーンがこのアングルからとは珍しい。
安さん(やっさん)が集めてきた古道具が強調されてるのかな。
これから二人で生活することになる部屋。私にとって邦画といえば、TVではあらわにならない女性の裸体や卑猥な言葉のやり取り、そこをすり抜けたりぶつかったりする男と女にはみんな故郷や幼い時代があって、都会で器用に生きてるようでいて、愛だけはうまくいかない物語。
津川雅彦さんが都会代表みたいな生き様で、「いろんな女の尻追っかけてきた」と話すとおり、女とくりゃいつも「そういう目」で見たり、若いカップルの間にサラッと入っていく。
そんな津川さん(喫茶店マスター)から、「真弓ちゃんのおっぱいの下のほくろがさ…」って言われて、あぁ、真弓(夏目さん)はやっぱりそういう女…って心が重くなる渡瀬やっさん。すぐ失踪する真弓にやきもきしながらも、「都会の男女は過去のことなど聞かない」流儀のもと、マスターが見たほくろにも触れずにいたけれど。
実は公園で真弓の逆立ちを手伝ってたときに見えちゃったほくろとのことで。
なんなんだ、都会の男女とは!!いなくなった真弓は、銭湯の前でやっさんを待っていた。
都会の人間っぽく生きていても、のれんの前で待ち伏せていたりする。
昭和の映画の、貴重なシーンと思う。
このあと「ふふっ…」って、やっさんの背中にはりつく真弓。
部屋に帰ったらあのベッドで抱き合って、なぜか涙を流す。涙ってバカみたい
耳に流れて、胸に戻っていくの信じられない早さで抱き合って始まった二人は、涙のワケすら聞かない。
そうであればこそかっこよくて、そうだからこそ燃え上がる。
でもそれが望みの関係かはわからない。ワケわからないけどおもしろいっていうのも、昭和の映画だったかな。
突然現れた椿鬼奴風の女性。東北なまり。
夏目雅子さん一人二役です(こっちは美郷)
この恥じらいが、都会の女とは違うという強調?

ベッドに滑り込んだのに、震えてくるような。
それはたぶん、初めての相手だから。
真弓とは何もかも違う。
やっさんも本当は、自分の情の濃さを持て余してたみたい。
この美郷になら、こみ上げる情をぶつけたって満たされる気がしたかな。でもねぇぇぇ。
真弓こそが情の深い女だったことを知ったやっさん。
もう不安に揺れることなどないでしょうね。そんなまなざし。

大井町の歩道橋をやっぱり渡って帰ってきた。
南部鉄瓶は、骨董屋の古くて新しい顔かな。
「帰ってきたみたいよ…」
かすれ声で教えてくれたのが、猫のアブさん。
原作者、村松友視さんの愛猫がモデルかな。
渡瀬さんもむちゃくちゃかっこよかったです。

「かっこいい」というのは時代で変わってしまうかな。
「情」とか「ちゃんと知る」ってことがこんなにもかっこいい。
傷ついたり、「待つ」ってことも、留守電で真弓の声を何度も聞いたりする未練は、渡瀬さんが演じるから素敵、、かもしれないけど。
「愛」があったな、このとき。ってなんとなく思った。
ほうぼうにあった。
昭和をことさら良く・懐かしく思い返すのは、悪いくせになってしまうかな。 -
「紀子の食卓」
「紀子の食卓」をいよいよ見なきゃならないと、焦ってAmazonで中古品を手に入れました。
あのころの吉高由里子さんを絶対見ないとならない気がした。映画の主役・紀子は吹石一恵さんです。
吉高さんは紀子の妹・ユカ。
家出した2人の娘を必死で探して取り戻そうとする父役は光石研さん。
紀子とユカが出会うレンタル家族業の代表者・クミコがつぐみさん。
だいたいこの4人でストーリーが進んでいきます。お昼から見始めて、やっとさっき見終えた。
「やっと」と出るくらい、実はちょっと疲れた。
おもしろいかと問われると、、よくわかりませんでした。だけどあのころの吉高由里子さんを見られて良かったと心から思いました。
たぶんこの先も吉高さんのこと何度も見たくなるのだと思う。声を聴きたくなる。だから買って良かった。
そう思うほどの表情と語り方。
園子温監督が、まっさらな吉高さんに確実に何かを吹き込んだ。
「愛のむきだし」の満島さんみたいなきわどい太ももなんて一切出てこないけど、仲良しの男子高校生が肩に触れてくるその手を振り払ったり、ふざけて彼から逃げる姿だけで十分色気があった。
何よりやっぱり美少女です。吹石さんはやはり主役であるので、1段落目はずっと吹石さんの語り。
脚本はもちろん園子温監督であるのだから、少女が東京へ出たい気持ちや苛立ちの詩的モノローグは園監督によるものだろうけれど、本当に少女的な幼さばかりが目立ち、吹石さんの語りや演技は、なぜか月9っぽく見えてしまう。
それが2段落目の吉高さんの語りになると、不思議と少女の切なさの重みが出てくるのだから、ぐっときます。が!!!
あるところを境にして、吹石さん・紀子ががらっと変わる。
笑顔が恐ろしくてしょうがなくなり、そのコントラストを生み出すための最初のオドオド・イモな吹石さんならば、すべてに意味がある気がした。
見ててイライラするような紀子を、妹のユカもいつもチラ見。
家族は本当の家族である間は、そうやってバカにしたり無視したり、「関係」について思いをめぐらせることなどついぞなかったという皮肉。
誰かを失うまでは。
吹石さんからはその空虚さを怖いほど感じられました。
吹石さんは狂気で、吉高さんが正気。
一見、逆みたいに思える役柄のぴったりさに震えたのです。園監督は、「愛のむきだし」でもそうですが、女同士の戯れを印象的に描かれるんですよね。
紀子は東京でクミコと出会うなり、レンタル家族の一員にいつの間にか組み込まれるのですが、まだ何が起きてるかわかってない紀子が、クミコと狭いベッドで夜、語らうシーン。「吹石さん?」と一見わからなくなるほどに美しくて、胸がたわわ。それだけじゃなく、女子高生54人が新宿駅のホームで手をつないで、「いっせーのーせ」で集団飛び込みを図るシーンなども、園監督は著書でも綴られていたとおり、「女」に特別な何かを期待して託していることが感じられ。それってなんなのだろうな。
17歳ごろの女子といえば、男子の性的想像肥大傾向のことなど確かにつゆしらずで、男が何でも性というフィルターを通してしまいがちなのだとすれば、女子高生はまだそうはならないギリギリの年齢かもしれない。
かといって胸に抱くことは幼いばかりでもなく、これからの人生のベースとなるような深刻さが確かにあった。
人の好きになり方などは、あのころに戻りたくても戻れない純粋さも母性もある。
その綺麗さを監督は想像でさらに聖域化して崇めているようにも見えました。思えば殺すシーンってなんなのでしょうね。
ナイフを持つのはいつも男。(この映画で)
今まで感じたことなかったけど、人を殺したいというそのシーンからものすごい支配性が浮き上がる気がした。
「殺してやるー!」ってなんなのだろう。
泣き叫んでもわめいても思い通りにならないのなら、殺すしかないだなんて、それが物語に入ってくることの意味とはなんなのだろう。
今まで血しぶきあがるシーンにそう思うことがなかったから、すごく引っかかってしまった。
この映画に限っていえば女は誰かを殺すのではなく、自殺を選んでしまう。
「どうしても変えたい」と究極に思う時、男は相手をめちゃめちゃにする支配を選び、女は「私が変わるしかない」という絶望に飛び込むということかな。クミコ役・つぐみさんの怒りや笑顔の表情がものすごい迫力でした。
光石さんはさすが、まだ何が組み立てられるかわからないストーリーの柱を浮かび上がらせる確かさがあったし、狂気じみた顔でノートに何やら綴るシーンは、TVドラマじゃ拝めない!!
安藤玉恵さんも出られてましたが、あの方はなんであんなに色気があるのでしょう。やはり肌など露出してないのに、です。そしてまた吉高さんに戻ると、いちいち私は吉高さんに感動してた気がします。
左利きなんだ!というとこすら。くしゃみの見事さ、早朝に鼻をすする感じも。
吉高さんの演技は向こうからぐっっと入ってくる。
何より私もユカであるはずだと思いたくなるのです。
家族に冷めた気持ちを抱きながらも、誰よりも家族を愛してる自分。
家族みんなどこか勝手で、わかり合いなんて諦めているけど、実は諦めてない、みんなのこと観察してる自分。
突き放しているようで思い切り甘えたい。そういうキャラクターの普遍性。だから面白かったか?と問われると、、やっぱり「わからない」としか言えないのですが、「見るべき」一本とは言えそうです。
「とっても大きな気持ちを小さなコップに注ぐと溢れ出してしまうもの、それが涙よ」
という紀子のセリフがありましたが、この映画はストーリーからあふれたものを感じるのが楽しいということかもしれないです。
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大橋裕之「シティライツ」
大橋裕之さんの漫画「シティライツ」完全版を買いました。
上巻の巻末に岡村靖幸氏との対談があることも購入の後押しになりました。
岡村ちゃんがもう何年も前から推していた大橋裕之さんの漫画。
大橋さんが手がけられた岡村ちゃんのツアーグッズイラストを見たとき、正直ムッとしてしまった。
なんだ!このイラストは!と。
大橋って誰なんだ!この両脇も一体だれ?なに!?
今でこそ、これ見てワーッと盛り上がる。
圧迫大好きアッパくんと(左)、ボブディラン埋蔵金探索のボスですかね(右)。大橋さんの印象が変わったのが、岡村ちゃんユリイカ特集号です。

大橋さんが寄せられてた漫画がやけに忘れられなくて、涙が出そうなほどだった。
ユリイカ内で一番印象に残るものとなったのです。

この簡易すぎるロケットと宇宙服と、案外そっくりな岡村ちゃん。
胸のピーチマークの細かさが嬉しい。
そして実際に一時期、人の性生活をやたらインタビューしてたらしい岡村ちゃんエピソードが、なんと宇宙生物に向けても!
この「ズバズバ」とかっていう擬態語が気持ちいのも大橋さんの特徴です。
最後は宇宙でデンス。
これがなぜか泣けた。
一番岡村ちゃんのことをよく知ってる人のように思えた。
誰もいない宇宙空間でもきっとデンスするひたむきな変人であろうことを、なぜか私もよく知ってるように思えた。
そう、そういう切なさです、大橋さんがかもしだすものは。今回、「シティライツ」を読んで改めて思ったこと。
この人は乙女座に星を持っているに違いない。
というわけで大橋さんのホロスコープを見てみたくなりました。
やっぱり!!
大橋さん、乙女座に3つ星があって、しかもリリスまで。
乙女座マジョリティーでした。大橋裕之さん(38歳・火星期)
太陽:水瓶、月:双子
水星:水瓶、金星:魚、火星:乙女
木星:乙女、土星:乙女
P太陽:魚、リリス:乙女太陽は水瓶座で水星とくっついてます。
この「水星とくっついてる」というところがまさにシティライツの特徴っぽく、小中高生が主人公というものが多いんですよね。
いつも若者が主人公。
大人だとしても相当幼い。そして水瓶ですから、設定はありえないほどユニークです。
大体ありえない力が働いたり出現してきたりします。

でもこれは、魚座的とも言えるかも。
大橋さんの金星が魚座。宇宙とか超能力の話が多いです。
それがまたロマンティックでドラマティック。月は双子ですが、この双子・乙女・水瓶持ちで漫画家だと、ほぼサブカル的になるでしょうね。
双子と乙女は漫画家に向いてるようですが、水瓶座のマイナーシュール感が、よりサブカル心をくすぐります。月が海王星とオポジションというのも、何か宇宙的な力をパワーにするストーリーが多いゆえんにも思えます。
なんたってやっぱり乙女座。
やはり強く利いてる。たいてい切ないですよね。
乙女座持ちの人が書く物語というのは。
そして報われないです。
いや、報われるとしても、相当ささやか。
自分だけが満足できる幸福。そこに泣けるのです。大橋さんを推した岡村ちゃんも金星乙女の人。
私がいつもその脚本に震える宮藤官九郎さんも金星乙女の人です。
あと山田洋次さんは太陽・金星はじめ乙女座に星が集まってます。
私もまた金星乙女だから、この方達の作品がとくべつ刺さるみたい。いつまでも成長しない青さの表現が光る方々。
それが乙女座の支配星でもある水星的ということなのでしょうか。
自分の未来が果たして幸福に向かってるのかわからない時代の・わからない瞬間を切なく切り取る。シティライツは1話完結ですが(シリーズストーリーもある)、主人公はいつも目立たない人。
嫌われがちでもある。
誰かに話しかければ「は?」ってだけ返され、人の忠告にもあんまピンとこない人。
人をイラつかせる。
トンチンカンにツッパったりしながら、人並みに感動屋さんだったり。
キラキラした女子に振り向かれたりしないし、女子だってモテたことなどない。私がとりわけ好きなのは、北石器山高校の超能力部女子3人の物語。


この3人は本当に報われなくてねぇ〜…。
普通こういう女子って主人公になりませんよね。
そこに大橋さんは光を当てた。
いないわけないのに、世の中から「いない」とみなされる。
どの雑誌にも載ってない、自分みたいな人。
目立たないからって”いい人”ってこともなく、結構嫌なやつ。
でも嫌なやつ度合いなんて、美人とさほど変わりゃしない。
経験がない分の純粋さでバカばっかりやって、それでなんでこんな泣きたくなるのかな…っていう作品ばかりです。大橋さんは金星が魚座で、確かに描かれる女の子がみんなキュートなんですよね。
ただ超能力部の3人もある意味魚座的で、自分たちにはすごい力があるんだと信じ込んでいる。
いつかその力で何かを動かせる・見返せるんだと、盲信…(泣)
対向にある乙女群の星々が、キュートな女性に振り回される男どもという感じもするし、超能力少女の現世からの孤立にも見えてきます。とりわけ好きなのがこのお話。このシーン。

この右のロボットは、猫を失ったしげるさんが寂しさ癒すために自作した、いわば人形。
なぜか病床のしげるさんに寄り添ってる。膝折って…。
この「え、なんで?」っていうツッコミどころ。人形なのに…。
しかしそのツッコミを、これほど野暮に思ったことないくらいの気持ち。
この気持ちのこと、なんて言うんだろう。言葉で表せない!
ってか、こんなに漫画貼り付けちゃっていいのかな…。
好きなシーンがありすぎて。。
どこかから指摘を受けたら、画像を消します。大橋さんは、太陽も月も水星も風星座だけあって、全体的にライトでユーモアたっぷりです。絵の余白からしてもライト。
主人公は、変なオヤジに絡まれる乙女部分だったり、シュールな水瓶的青年。
また自分が浮いてると気づいてんだか気づいてないんだかの魚的女子だったり、わけのわからないものに突き動かされる月双子的な僕である。ホロスコープの円盤を見つめると、あの主人公もあれもそれも、独特のタッチで描かれた笑顔で幸せに暮らしてるように見えてきます。

誰かのホロスコープ見て、なんか泣けるって、なかったかも。
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清水ミチコのひとりジャンボリー
国民の叔母、清水ミチコさんのライブへ行ってきました。
笑い疲れました〜。
だってそりゃそうです。
ブザーが鳴って一番最初のショーが、
スクリーンに映し出された「携帯電源オフのお願い」by天龍源一郎清水ミチコさんが天龍さんのメイクとお衣装で、何言ってるかわからないお願いを観客に訴えている!
いやしかし、ちゃんと字幕がついていたので助かりました(笑)
「とにかくおもしろい」、これはもう大前提で、清水ミチコさんのステージにおいて感心至極だったところを書いてみたいと思います。
時事ネタに詳しい
ステージ上に出てこられて、一番最初のピアノ演奏がこれです。
喜納昌吉さんの「花」佐川ながれぇぇて どこどこ行くの〜
なんとこないだの証人喚問をネタに!!
吐きなさぁぁいぃ〜 話しぃぃなさぁぁいぃぃ〜
そしてまた、最もホットな「相撲界」ネタに、”この間失言したばかりの”という紹介付きで麻生大臣のモノマネまでするから驚きです。
私が好きなのはパク・クネ元大統領のモノマネ。
パク氏がもし日本語で謝罪をしたら…という小ネタ。
なぜか似てるから不思議。しかし報道をちゃんと見てないと、こんなホットな時事問題を即ネタに取り入れられないと思うんですよね。
清水ミチコさんが人気なのは、この知性・関心分野の幅広さなんじゃないかなとも思うのです。
時事問題から浮かび上がる「なんだかな」を、モノマネで際立たせる。
男の人が特に大声で笑ってたのが印象的でした。
なんだかんだオタク
時事ネタもそうなのですが、マイナーなネタこそがおもしろいんですよね。
もちろん、ユーミンや大竹しのぶさん、桃井かおりさん、瀬戸内寂聴さんといった、誰もが知ってるメジャーな方達のネタもあります。
何がオタクかというと、モノマネのその誇張部分。例えば黒木瞳さん(名前をあまり言えないようで”ブラックアイズ”とおっしゃってましたが)の、ちょっと音程がオーバーしがちな歌い方とか。
あと私も近頃ずっと感じてた、松田聖子さんの「タメる」最近の歌唱法。
テンポのずれ度合いがもう・・私はここで一番笑ったかもしれません。
いや、一番笑ったのは「すごく聴きづらいアナと雪の女王」かな。
天龍×中森明菜×瀬川瑛子のメドレー(笑)「ひとり紅白」というネタのトリは、ゲスの極み乙女。
「ロマンスがありあまる」 川谷絵音さんのモノマネまでできちゃう清水さんです。
そのコツとして、「田中眞紀子+プーさん」とオープンにしちゃう。
全体的にオープンなんですよねぇ。
あと忌野清志郎、ゴールデンボンバー、ポルノグラフィティ、YUKI、SHISHAMOのモノマネなども。
どんだけ研究熱心なのでしょう。
それでまた似ているのだし、歌詞も覚えてるというのがまたすごいです。
さらっとやられるので努力っぽく浮かび上がりませんが、家に帰ってじわじわこのあたりに感動しています。音楽性の高さ
こちらもある意味オタク的楽しさを見出せる「作曲法」というネタ、これがすごい。
ミュージシャンの「っぽさ」でもって清水ミチコさん作詞作曲で歌うというもの。槇原敬之さんやゆず、ミスチルなどは、マキタスポーツさんのネタにも見出せそうですが、清水ミチコさんはそこに加えてスピッツ、サカナクション、椎名林檎とくる。
椎名林檎さんの「巻き舌風」がとにかく上手だったのです。
モノマネ巻き舌・椎名さん風メロディーで、わざと「カリオストロの城!」と歌ったりもして。拡声器まで持って。いやもっと!!美輪明宏さんの「ヨイトマケの唄」には仰天でした。
そっっくりだったのです。
あと秋川雅史さんのモノマネとかも。
男性の声が似てるなんて、一体どんな喉なのでしょう…。そして音楽性の高さといえば、ピアノのお上手さです。
一番最後は矢野顕子さんのモノマネで「ひとつだけ」。
前髮の短さといい、本当に矢野さんに見えるほどでした。
「NYから降りてこ〜い」と、降臨ポーズをされてた清水さんでしたが、本当にモノマネというよりも乗り移ったかのように。
うっとり演奏を聴けるところもたくさんありました。相当の毒
結局、この毒をみんな待ち望んでるんだと思う。
一番の毒が瀬戸内寂聴さんだったでしょうかね。「瀬戸内寂聴 講話会」
堂々スクリーンにこう掲げてるってことにも驚きですが、あとそっくり度。
そのそっくりな状態で清水寂聴さん、なんとネズミ講まがいのことされる。
「前もって準備しておくとかね、日本人、あれ得意ね。好きなのね、転ばぬ先の杖なんていうでしょ」 と、日本人をアゲといて、本当に杖(17,200円)を売りつけます。
10段階高さ調節付き(本当かよ)「信じる者は救われる、なんて言うでしょ」 と講和する清水寂聴さん後ろのスクリーンにはデカデカと「信者」の文字。
「信者は儲けとも読めますね」 のところでは、おぉー!のどよめきと失笑。
怒られないんかな。。そしてなんたってユーミン。
清水さんが演じるユーミンがまぁ毒だらけ(笑)
「本当の松任谷さんはこんなこと言いません」ってすかさずフォロー入れるのですが、「いや、やっぱ言ってるでしょ」ってリアルさがある。
「春よ来い」では、その最大の盛り上がり「はぁぁぁ…(るぅ〜)!」ってとこの大音量の大げさ加減とか、これまたオタク的なとこに爆笑です。「作曲法」においても、「この人の曲ってこうですよね」っていう素朴な疑問や気づきを、あくまで無邪気風に際立たせる。
ゆずとか、まぁわかりますが、サカナクションにずっと感じてた、なのに言葉にできない日頃のモヤモヤを、清水さんにすっきりさせてもらった形。圧倒的な明るさ・親しみやすさ
みんなに愛されてた清水さん。
そんな我らのことをミチコ・チルドレン、略して「ミッチル」とおっしゃられてました。
なんだかんだ毒だらけだったようなライブでしたが、陰湿な感じが一切ないのは、清水さんがどなたにも嫌悪感ないからじゃないかな。
政治家にしたって、テレビ見てつい怒っちゃうようなところなども、清水さんにかかれば「笑えるほどの世界にしてしまえ!」という、強引さまで感じるのだから。
とりわけ小池百合子さんネタがお好きなようでした(笑)あと何が嬉しかったって、観客を巻き込んでくれるとこ。
そんなところがいっぱいありました。
・遅刻してきた人をわざと懐中電灯で照らす
・リクエストを聞く・応える
・遠くからいらしてる方と「どこからですか?」の会話
・今回のツアーでのアンケートを読み上げる(半ばネタにする)
・ツアーグッズが当たるジャンケン大会
・誰も立ってないのに「ちょっ、座って!落ち着いて!」のポーズ
・一つ演じるごとにガッツポーズ(そのたびに拍手)
・ピアノモノマネ中もずっと観客を見渡しながらとにかくサービス精神。とにかく盛りだくさん。
笑えるほどチープなところもたくさんありましたが、それだからこそ好きだという感じは、タモリ倶楽部と通じるところがあるかな。
清水さんがステージはけてるときは、スクリーンで楽しませてくれる。
謎のモンゴル旅行シーンもありました。
ホーミーを習いに行って大草原の動物に聞かせるという、あの企画。
あとモンゴルの街中に溶け込んで「どこにいるでしょう?」というクイズがまたよかったです。遊び心すべてネタにされるんだから…。そうかと思えば、松尾スズキさん作・主役のショートムービーまで。
(清水さんはラットフェイという謎の外国人役)
あと実の弟さんとのデュエットまでありました。
弟さんは細野晴臣さんのモノマネで、清水さんは矢野顕子さん。
「相合傘」という細野さん作詞作曲の歌がとても素敵だったなぁ。
清水ミチコさんに会えば必ず笑える!これは間違いなしです。 笑わされっぱなし。
次のネタまで1分も待てないような清水さん。
「表現」を、まずは自分だけが楽しむんでもいいからどんどんしなくっちゃとも思えた。
箸転がっても笑える時代に戻れたような感動。
みんな笑顔で、人差し指で涙ぬぐいながらの退場シーンってどんだけ平和でしょうね。
「最高の年度末ですね」 本当にそう思った。
明日から4月。桜ももう散ってた。 -
色即ぜねれいしょん並列
映画「色即ぜねれいしょん」のDVDを買いました。(色即ぜねれいしょん)
昨日は本編2時間と、オーディオコメンタリーという、監督や演者が副音声的にシーンを振り返るというものも見たので、都合4時間も色即漬けに。
昨日はほんと疲れた!
けど、映画の持つパワーに圧倒されてぐったりというのもある。パワーといっても、原作はみうらじゅんさん、監督はみうらさんの盟友、田口トモロヲさんであるので、元気いっぱいのパワーであるわけもなく、まぁゆったりゆるめです。
主演の渡辺大知さんの純粋パワーというか、峯田さん岸田さんの表現力パワーというか、臼田あさ美さんのキュートパワーというか。
役者さんが本来持ってる魅力が十分引き出されてる!
そこにガツンとやられた感じで、余韻がもうたまらなかったです。ストーリーは、京都の仏教高校1年生の純の、ヤンキーにも優等生にもなれない冴えない青春物語。
友人に「フリーセックスの島でユースホステルに泊まって童貞を捨てよう!」と誘われた純は、ノーブラ女子・オリーブと距離が縮まったり離れたりの経験。
またユースホステルの経営者・ヒゲゴジラとか、あと家庭教師のヒッピーなど大人の影響をたっぷり受けて、童貞喪失はかなわなかったけど文化祭で1人、自作の曲を熱唱する勇気が持てたり、一番好きな子をデートに誘うことができたり、ヤンキーと和解できたり…という、純の成長物語でもあります。
みうらじゅんさんがご自身をモデルにした、あくまで小説であるようです。というわけで、魅力的な演者たちのホロスコープが気になりました。
映画のストーリーにあまり関係なく、各々について熱く迫ってみたい。
一応、映画公開当時の2009年の年齢で見てみます。
(敬称略)純:渡辺大知(当時19歳・金星期)
太陽:獅子、月:水瓶か魚、水星:乙女
金星:蟹、火星:牡牛
P太陽:乙女「色即」に限らず、渡辺大知さんという方もまた、女性に振り回される役が多いんですよね。
というかその子たちの「1番」になれない男。
この間見た「勝手にふるえてろ」ではラストこそ松岡茉優さんの1番になれそうでしたけどね。前田敦子さん主演の「毒島ゆり子のせきらら日記」も途中まで見ましたが、前田さんの彼氏として第1話から押し倒されキスというイイ役を演じながらも、あっちゃんの「二股」を泣く泣く容認してるという悲しい役…。
それで今回の臼田さん、石橋杏奈さんもそうですが、中条あやみさん、SOYJOYのCMでは中田クルミさんとか超絶可愛い方の相手役が多い!
金星が気になりました。

N金星はN木星とコンジャンクション。
やはりこれだけでも魅力的な女性との縁が多そうですね。
しかしN土星とオポジションですか…。
ウハウハに必ずブレーキかかる運命ってことでしょうか(笑)
ただN土星は、なんだかんだ安定的なポジションを得られそうです。
また、N太陽の手前にあるNドラゴンテイルってのも、文化系とか2番手男子の支持をすごく受けそう。「色即」当時の2009年は、N土星の上にT冥王星が乗っていて、金星期の大知くんの運命も究極に変化したわけですね。
獅子座TドラゴンヘッドもN太陽の上に来てました。大知くんのN太陽は、N冥王星とぴったりスクエア、N火星とでTスクエアということで、26歳以降の太陽期は、金星期のラッキー的展開とはいかない壁をおそらくもう感じられたでしょうけども、やっぱり音楽という表現の場で一回すっからかんになって燃え尽きてこそ、どんどんパワーアップする方なのかなと思いました。
大きなものにぶち当たる役がやっぱり似合いそうです。
ヒッピー家庭教師:岸田繁(当時33歳・太陽期)
太陽:牡牛、月:牡羊、水星:牡牛
金星:牡羊、火星:蟹
P太陽:双子なんといっても岸田さんです!!
岸田さんの京都弁や、滲み出る人柄には、監督の田口さんはじめチームで酔いしれてたようでした。「なんや、ぼん、今日はぼんが先生みたいやな」
「かめへん、かめへん。ええ、ええ…」あ~いくつもいくつも岸田さんの京都弁を並べたい。
岸田さんご自身からみなぎるなんともいえない色気というかムードに一番惹かれてしまった。
岸田さんの太陽と月のコテコテな感じが、そのムードのゆえんなのでしょうか。
N太陽木星テイルがコンジャンクション、N月リリスがコンジャンクション。N金星もその近く。
やっぱテイルって、文化系を寄せ集めるんじゃないでしょうかね。
「色即」では「彼女の生理がずっときてないんやて」「産むかおろすか…」と悩まれてましたが、なんかそれすら月・金星あたりに表れてるような…。なんとなくですが、厄介な問題が次から次へと岸田さんのもとにやってきて、でもそれらを吸収して表現に変えてるような。
「音楽は武器や」と、純にまっすぐ奥深げに伝えたような感じ。
ムードでわかれや、というようなね。
岸田さんもきっと、詞曲にダイレクトにあらわしてるわけではない。
でもヒッピーというあの役で、「岸田繁」という人の生き方がどうしたって溢れ出ちゃって、そこから何も感じないわけにいかないほど強力な何か。
ゆったりしてるように見えて、人生ずっと戦ってきたように私には見える。
太陽の度数が、私の火星と同じだからかな。
「サマリアの女」
差別や不公平さを感じないわけにいかない落差度数。
あぁ…もわ~っと今でも余韻が抜けないのです。
ヒゲゴジラ:峯田和伸(当時31歳・太陽期)
太陽:射手、月:射手、水星:山羊
金星:射手、火星:獅子
P太陽:山羊この射手座の多さ・やっぱりナンバーワンモテ男ですな!
オーディオコメンタリーでも田口トモロヲさんは「峯田さんの人間力がすごい」とおっしゃってました。
ミュージシャン出身の役者に、何か特別なものを見出されたようでもありました。
私もそう思う。
この映画は、文化系による文化系のための映画だなって。
峯田さんは射手座N太陽・月に海王星までくっついてるのですね。
これは独特不思議系ですね。
すごく創造性にあふれた方なんだろうな。
大知くんや岸田さんのテイル文化系とはちょっと違うものを感じます。
最初からモテの世界にいた方っぽい。ヒゲゴリラも、夢を追っかけて純に3000円のシングルを売りつけてました。
言ってることも嘘に近いような壮大さ。「俺、ヒゲゴジラになら騙されてもええわ」by純
本当に純って子はええ子で、みうらじゅんさんにはどうにも重ねられませんでした(笑)
そして峯田さん、射手過多的に誰にも束縛されない。オリーブにも。
でも上下関係も誰とも作らない。
そんな生き方は、峯田さん自身のモットーとも感じられました。でもさすがP太陽山羊座の峯田さん(現在もP山羊)。
そういう方はどんなに浮世離れしていても、ちゃんとNHK朝ドラに抜擢されたりするのですね。
オリーブ:臼田あさ美(当時24歳・金星期)
太陽:天秤、月:蟹、水星:天秤
金星:蠍、火星:山羊
P太陽:蠍臼田さんがまた、こんなに可愛かったっけ!?というくらい魅惑的でした。
だいたい乳首強調されたり、陰毛が透けていたり…。
あれはそういう小道具使ってるんだと思いたいけど、どうなんだろう。
臼田さんはこの役をどうしてもやりたくて、「なんでもやります!」とものすごい熱意だったそう。
臼田さんはあんなに可愛いのに、まだ主役ってあんまりないですかね?
いつもすごくボロボロ人生みたいなすごい個性の役が多いです。
そんで金星がやっぱりテイルとコンジャンクションですか。
臼田さんも文化系だろうし、文化系女子にも男子にも愛されるでしょうね。
そういう方は主役じゃないほうが輝くのかもしれません。そして火星が強い!
火星は山羊座でパワーアップするうえに、木星・海王星とは、臼田さんはミュージシャンとの縁がすごい多いですよね。
そして男性からしても間口が広そうに思うのかな。
受け入れてくれそうに思う男が殺到しそうです。この映画ではヒゲゴジラにフラれ、ヤケで純の童貞喪失に関わりそう…で、キスだけして走って帰っていく傷心女子大生でした。
何もかもセクシーでしたよ。
やっぱり金星蠍ですからねぇ…。なんたって火星は「まとも」な山羊ですから、「バカじゃねーの?」って、臼田さんの普通目線でそう罵倒するのを見るのがこちらも楽しいです。
足立恭子:石橋杏奈(当時17歳・金星期)
太陽:蟹、月:射手、水星:獅子
金星:蟹、火星:牡牛
P太陽:獅子純が小学校の時から好きだった女子です。
たまに通学電車でも言葉を交わす仲。
石橋杏奈さん、むちゃくちゃ可愛かった!!
石橋さんと大知くんは、星の構成が似てるうえに、あちこちでぴったり重なってるんですよね。
「勝手にふるえてろ」でも共演してたし、縁があるのでしょうね。
この間の黒猫チェルシー渋谷クアトロライブにもいらしてたようでした。石橋さんのN太陽は、今、T冥王星とオポジション。
この間の「きみが心に棲みついた」では、ずいぶんダークな役を演じられてましたね。
そしてすごく痩せられた気も?
太陽期に入られたばかりの今は、もともと太陽ー天王星海王星オポジションの石橋さん、金星期の安定感と比べるとずっと忙しく・重いお仕事をされるのかもしれないですね。
もっと語りたいことはいっぱいある。
でも、あんまり長くなってもいけないのでここらにします。
いや~岸田さん・・。でもこの映画、やっぱりなんといったって純・大知くんのライブでのはじけっぷりです。
あのギャップが黒猫チェルシーの魅力でもありますね。
ステージの上の純は、”ライブ慣れしてる渡辺大知”が出ちゃってました。予告映像では、純のギャップ・オリーブの乳首・岸田さんの名台詞など名場面満載です。
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映画「勝手にふるえてろ」・主にニのこと
昨日は映画「勝手にふるえてろ」を観に行ってきました。
またまたアップリンク渋谷。ただ正直、、いま私は綿矢りささんの表現に夢中なので、小説で描かれてないシーンや、「ファッ○!」といった台詞にちょっと違和感あり。
何より「勝手にふるえてろ」は、ニに向けられた言葉ではない。
イチへの言葉。3次元のイチへの決別宣言。
12年間ずっと育ててきた愛こそが大事、愛を想ってる「私」が大事。
ヒトなんて、ほ乳類なんて勝手にふるえてろ、、というような。
最初はつらつらその違和感のことを綴ってたのだけど、キリがないのでそれはやめて…
小説以上に胸射抜かれた「ニ」役・渡辺大知さんについて綴ってみます!
まず、「イチ」役の北村匠海さんも素敵だったのです。中学時代のマッシュルームカットから、同窓会でがらりと変わったあの姿には、ヨシカならずとも私だってときめいた。
大体同窓会で「よくなってる〜」ってこと、かなり奇跡的なんですよね。
でも2人くらいは必ずいる。しかも中学のとき完全ノーマークの人。
小説の中のイチは異様に手を洗うとか、神経質に描かれてるのですが、映画でも「人の目を見ない」とか、細かにまばたきする北村さん。
実は臆病でイジられやすさを憂鬱に思う、闇の深さがあの映画に重みを与えてたように私には感じられました。そう、そんで渡辺大知さん。よかったなぁぁ!
暑苦っ…!って演技は、予想以上に「ニ」だった。嬉しくなるほどです。
ヨシカの同窓会にエレベーターまでついてきちゃったり…っていうのは映画のオリジナルシーンですが、オートロックの扉閉まる寸前に滑り込んでくるとことか、エレベーターの中でヨシカとイチを交互に見る目線。
渡辺さんって演技上手い人だったのですね。
しかも、嬉しさで顔を歪めるほど出川の哲ちゃんにどんどん似てくるので、妙なゾクゾクに何度も襲われました。
スーツ着た渡辺大知さんは、初めてお見かけした日経電子版CM・田中そのものだった。
なんだこいつは!?やたら上からくるけども…っていうこちらの怪訝さをすかさず敏感に感じ取り、哲ちゃんの表情で「いやいやいや〜」と懐に入ろうとしてくる。確かにヨシカほど臆病でパーソナルスペース狭い女からしたら、「髪に触れんじゃねぇ」「二の腕つかむんじゃねぇ」と、馴れ馴れしさを払いのけたくなりますね。
でも、陰のかたまりのような私を、どうしてクラブの音楽も耳に入らないようなあなたが見出した?
小説では、赤いふせんを指輪っぽくプレゼントすることはしてなかったけど、それにしても渡辺さんは、小説の世界観を見事に映し出してくれた。
スーツ姿かっこいいじゃん!と思いきや、ふとした横顔の顎のあたりがまんまるかったり、角度によっては太って見えたりと、ついうっかり飲みすぎるサラリーマンそのもので、あの人、本当にロックバンドやってんですよね?でもニが愛らしいほどに笑えたのは、それもこれも松岡茉優さんの拒絶っぷりや、かみ合わないときの「えっ、あっ、は?」っていう裏リズムみたいな間が絶妙だったからとも思う。
そういえば、ヨシカの部屋の隣人(片桐はいりさん)が吹くオカリナの音に合わせての壁たたきも、裏リズムだったような…。
すぐ顔を曇らすから、ヨシカは。
それ敏感に読み取って、すぐ気を使うニ、こと霧島くん。
「なんであたしのこと好きになったの?」
厳しい顔つきと拗ねたような甘えは紙一重、ってとこの松岡さんの演技も好きです。
「珍しい子だなと思って」
女なら誰しも、自分の珍しさを見出してもらいたい。
まさか自分大好き男に見出されるとは思わなんだ。ヨシカとて。もっと、そういうんじゃなく!
自分好みにカスタマイズされたストーリーにこだわるあまり、遠のく恋愛。
絶滅危惧種好きのヨシカの考察としては、自分のこだわりこそが子孫繁栄の機会を阻害していると。
だとしたらニこそが、ヨシカを絶滅から救う保護観察員なのでは…!
このあたりが映画で描かれてなかったのは残念だけど、もしかしたらいろんな反応に配慮して外したのかな。
だって未婚の私にもなんとも響くとこ。
こだわりねぇ〜機会の損失ねぇ〜。
映画ではヨシカとニ・こと霧島くんのキスで終わります。
このキスシーンがなんとも良かったな。
玄関のあの狭い靴脱ぎ場にすっぽりはまった2人、抱き合ったまま。
足がどこへどうなってるか、パッと見わからないほどはまり込んだ2人が、化石みたいに見えた。
この間見た蒼井優さんの映画でも思ったけど、だいたい女のぼってりした靴下とセクシーさって合わないはずなんですよ。
なのになぜか、ちょっとのぞく素肌の少女性、そこにこだわる一定層がいるのかもしれなくて、私もその一人なんだと自覚しました。 -
映画「勝手にふるえてろ」
今日もアップリンク渋谷にて映画を見てきました。
「勝手にふるえてろ」 私は先に小説を読んだのですが、綿矢りささんの世界にすっかり引き込まれた。
他の綿矢さんの本もどんどん読みたい!と今、夢中になっています。
そういうのもあって、映画にちょっと期待かけすぎてたかな~。
本にはない台詞・ない設定ばかりがどうにも気になってしまいました。
しかし、この映画はなんたって「ニ」役の渡辺大知さんです!!
「イチ」役の北村匠海さんも素敵でした。もう上映シーズンも終わりごろなのでネタバレで綴っていきます。
なんで「イチ」で「ニ」かというと、主人公ヨシカが中2からずっと今でも「一番」好きで、名前も一宮だから「イチ」
ニは、ヨシカにある日いきなり告白してきた同じ会社の営業部の男。
ヨシカの世界に2番目に入ってきた男だから「ニ」
ニの名前なんてちゃんと呼ぶ気もない。
ニにアプローチされるほど、イチが恋しくなる。ニなんて「自分ばっか」で、「億の金を扱う」とか言っちゃうし、オタクの世界に興味すら示さない、趣味は釣り、ヨシカが陰ならニは陽で、ヨシカにとって本来大っ嫌いなタイプ。
だけど「追いかけられる」って、まんざらでもないんですね。
嫌悪感あるなら交際断っちゃえばいいのに、好きな相手じゃなくたってデートというシチュエーションを楽しんじゃってる。何より、「あるとき君の左胸に赤いふせんがついていた」 そのときから経理部のヨシカに理屈抜きで惹かれてったニ。
同窓会で久々に会ったイチ、昔ちょっとだけ言葉交わした運動会閉会式のこと覚えててくれた奇跡や、ヨシカの唯一の趣味、「絶滅危惧種好き」がなんとイチも同じ趣味だという、これはやっぱり運命で繋がってたんだと確信した矢先。
「ごめん、君の名前思い出せない」ってイチに言われたショック…。それでいろいろあって、いっときはニにも見限られるヨシカだったけど、これまでずっと気持ちぶつけてきてくれたニに、最後ヨシカが思いのたけをぶつける。
小説と映画と、ちょっと最後の大事なとこは違うのですが、ずっと保留にしてたニとの交際に、ちゃんと納得した状態で踏み出したヨシカ、、、というエンディングです。
小説でも映画でも、とにかくヨシカはイタい。
なんたって絶滅危惧種好き。オタク。 小説ではアニメイト好き。乙女ロード好き。
男性経験はない。小説では26歳。友人の顔してた同僚は寝顔も美人。 美人ゆえの鈍感さ。いい人ぶるとこ。
同窓会でも存在感の薄い自分。 自分はなんって孤独だったんだ。
そんで破滅的な自暴自棄。
自暴自棄で心離れるのなら、簡単に「好き」とか言うな! ここからもっとあたしを知れ!複雑な思いを抱きながらもやっぱ理屈抜きでヨシカに惹かれるニ。
あらすじばかりになってしまいました。というわけで、映画出演者のホロスコープ並列をしてみます。
太陽星座だけでもピン!ときたのです。 (敬称略)江藤良香 :松岡茉優(23歳・金星期 )
太陽:水瓶、月:獅子か乙女、水星:水瓶
金星:山羊、火星:獅子
P太陽:魚ニ:霧島 渡辺大知(27歳・太陽期)
太陽:獅子、月:水瓶か魚、水星:乙女
金星:蟹、火星:牡牛、
P太陽:乙女なんと太陽水瓶ー獅子 黄金のオポジション!
ドラマで最終的にくっつくオポジションカップルというのは、大体最初反発というか、罵り合ったりしてんですよね。
もしくは陰と陽みたいな正反対の2人。
最初はすごく相性悪そうなんだけど、最終的にベストパートナーになってたりします。松岡さんは年齢域で言うなら金星の山羊座なのですが、確かに最初は150度のように、ニのどっこも好きになれないような、ニもまたヨシカの好きな音楽や漫画に興味示さないような接点のなさが浮き彫りになってました。
しかし金星同士だったらまたオポジションなんですよね。なんたって松岡さんの火星。
縁のある男性は獅子座的に暑苦しい人でもって、渡辺さんが放つ男性性は牡牛座火星でもあるので、縁があるとはいってもキスの時の顔とかに粘着的なおぞましさを覚えてもしょうがないかもしれません(笑)そして渡辺さんと縁のある女性像・金星は蟹座。
奇しくもヨシカが「ずる妊娠」したことが交際のきっかけとなったというね。
「おれとの子どもつくろーぜーっ!」ってのがいわば交際宣言。なぜか80年代の雰囲気かもし出す渡辺さん。
どうりでみうらじゅんさんの若かりし頃を演じるわけです。
(→「色即ぜねれいしょん」)
そんでまたP太陽が乙女。
どうりで童貞みたいな中二病が似合うはずです。
この映画では珍しく、根拠なしに自信満々な男の役でした。
牡牛火星は蠍座の冥王星とオポジションなので、火星期に入ったら(36歳~)濡れ場なども印象的に演じられるかもしれませんね。松岡さんは太陽も水星も水瓶だけあって、基本的に「変わってる子」にすぐ分類されやすいですよね。
金星が山羊だから、基本しっかりしてる。群れるの嫌い。
どうりで世の中に批判的なわけです。
水瓶が自由にやりたくても、山羊座は「まともさ」のこと決して忘れないのです。
獅子座の火星は、ヨシカ自身のある意味”イタさ”として、よく表れてるように思いました。
イチ:一宮 北村匠海(20歳・金星期 )
太陽:蠍、月:射手、水星:蠍、
金星:射手、火星:射手
P太陽:射手松岡さんの水瓶と北村さんの蠍、黄金のスクエア!
やっぱりドラマだとスクエアって離れやすいんですよね。
実生活だとスクエアカップルは全然珍しくないし、太陽がスクエアだから別れるってことはないはずです。
ただ、家であまり顔を合わせないほど多忙夫婦とかになるのかもしれないですね。
松岡さんと北村さんの年齢域惑星金星同士は隣り合ってるので、ここが同級生という感じもしてきます。私はこの方、この間の日本アカデミー賞で初めてお顔をちゃんと見たのですが、「君の膵臓をたべたい」で新人俳優賞を受賞されて、演技が印象的だとどなたか、西田敏行さん?に褒められてましたかね。
ウィキペディアを見ると、どうやら「鈴木先生」でもお見かけしてるはずだし、なんたって「ゆとりですがなにか」で、吉岡里帆さんのガラ悪いあの彼氏役とは!
そして、現在放送中の「隣の家族は青く見える」では眞島秀和さんの若い恋人役。
ちらっと見たことあったけど、ちょっと認識してなかったです。北村さんは今、P金星の上にトランジット冥王星が乗ってるんですよね。
オリンピックアスリートじゃないですが、強運期というか、究極に働いたここ3~4年だったはずです。
パーソナル天体が蠍と射手だけで占められているというのがすごいです。 モテるだろうなぁ。イチは水星蠍っぽく、寡黙でした。
水星蠍座の人って発言が重いんですよね。
言葉が少ない分、説得力がある。
ただ射手座が多いので、何より束縛を嫌うはずです。
月金星火星、おまけにP太陽まで射手なんだったら、刹那的な気質のはず。
趣味はカメラというのも、刹那を切り取る射手座っぽい。
今、DISH//に「属してる」というのが太陽蠍ぽいでしょうかね。
最後に小説を書かれた綿矢りささんのホロスコープです。
綿矢りさ(34歳・太陽期 )
太陽:水瓶、月:山羊か水瓶、水星:山羊
金星:山羊、火星:蠍
P太陽:魚なんと!松岡さんとちょっと似てますね。
基本変わってるんだけど弁が立つってとこが、綿矢さんが描く主人公によく見られるイタさと重なります。綿矢さんは文学界イチの美女と言われる方ですが、そういう方がなんでこんなに孤独さやコンプレックス肥大症みたいな気持ちをよくわかるんだろうと不思議。
金星乙女座的な世界、中二病的青さ。
乙女座に星お持ちじゃないんですけどね~。
もしかしたらASCかMCが乙女座なのかもしれません。また、太陽ー土星スクエアの方なので、自己否定感が前提としてある方なのかなとも思いました。
私はその土星がちなとこに親近感を覚えるのかも。 -
映画「彼女がその名を知らない鳥たち」
蒼井優さんがこの映画で日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞されたので、上映中のアップリンク渋谷へ観に行ってきました。
蒼井優さんは受賞時、壇上で「出てくる人みんな最低」と言ってた。
その最低ぶりがたちまち気になったのでした。
確かに関西弁でクレームまくしたてる蒼井優さんは常にイライラしてて、同居人の阿部サダヲさんは、どうしたらそんなに汚くなれるんだというほどに真っ黒い顔(笑)うどんも肉もじゅばっとすする。
蒼井さん演じる十和子も当然嫌悪アピール。阿部さん演じる陣治は、悪いやつじゃなさそうなんだけど、下品なんですね。
歯の詰め物?をテーブルに置いたり、食事しながら汚い靴下脱いだり。
でもって、十和子をマッサージする手が小刻みに上下しててキモっ!
ただ、十和子は陣治のマッサージだけは唯一受け入れてる風。
気持ちよさそうな声や顔は性的快感と地続き……そうなんやろ?と、陣治じゃなくても惑わされます。松坂桃李さんがAV男優に見えました。
松坂さんのベロがエロい!!
この映画は蒼井さんにいろいろ・いろいろさせちゃって。血まみれの蒼井さんを痙攣さすとか、どんだけいたぶるんだよ!!と、不快感ギリギリ。
しかし絶妙なギリ感なのです。正直、この映画をどう見たらいいんかな?というのが途中までの感想です。
ふわふわした土台のない物語をずっと見せられているようで。
ところがどっこい後半!
やはり土台は存在する。
原作はミステリーですものね。
前半が十和子の物語としたら、後半は陣治編。
後半を見ながら前半部分がうわーっと巻き戻される。
脳内映写機・十和子の記憶。揺さぶられているのは自分なのか十和子なのか、見失いそうになるほど立体的な何かが迫ってきて、泣けたのです。ってか阿部サダヲさん、なんで助演男優賞にもならなかったんだろう?
陣治編では、座席のところどころで鼻をすする音が聞こえました。
表情はいつでもギャグなのに、そうであるほど人を泣かす。
蒼井さんとそう変わらない身長にも泣ける。
「anone」見てても思うし、なんなら持本とあんま変わらないのに、なんであんなに説得力を放てるのだろう。阿部さん。
ツボだったのが、十和子の姉の家に招かれたときの陣治の服装です。
いつも汚い作業着かTシャツなのに、お姉さん家に招かれると一応ちゃんとするのですね。ギンガムチェックのシャツと水色のニット。この似合わなさ。
誠実さだけは伝わりました(笑)松坂さんはハマり役と思いました。
竹野内さんのあのガラの悪い役にはゾッとするほどだった。
眼光が本当にヤバい人みたいに鋭かったのです。
この2人は、「そういうこと言うやつやっぱダメだろ〜」ってことをよく言うのですが、その答え合わせができたみたいな痛快さもあった。
あぁ、松坂さんの役へのツッコミ欲が今でもずっと疼きます。
だけど性のエンジンかかったときの目つきは怖かった。
男のそれが怖いのだと、唾を飲んだ。そして、竹野内さんを裏でコントロールする國枝役は、あの中嶋しゅうさん。
鷲尾真知子さんの旦那様で、昨年、舞台上から落下して急逝されました。
國枝も、十和子が忘れられない一人なのです。
「今、ホテルで待っててもらってるから、行ってもらえないか?」
ホテルにあの男がいるという想像をこちらにもめぐらせる。
それがどれだけ怖かったか…。蒼井さんは、出会う男性に狂わされるのか・蒼井さんが狂わせるのか。
魔性の女。
ただ正直、蒼井優さんは、この十和子というキッツくてSEXも激しい役をやるのには、あまりにも森ガールじゃないかと思ったのです。そして木綿の笑顔。
これは、マッサージ調子に乗りすぎた陣治に激怒した十和子ですが、修学旅行のパジャマかよ!ってくらい可愛すぎます。
ま、男性からしたら、何か少女性のむき出しのあたりにタブーなような色気を感じるのかもしれません。
ただ、最初の疲れきったクレーム女とか、まだまだ可愛らしすぎる。
まるでEXILEを率いているかのような竹野内豊さんのオンナにしては、どうもoliveすぎるのです。
もっと眉を細めにしたらよかったのでは?
でも「よくがんばったで賞」という意味も相当込められての最優秀賞であることは間違いなさそうです。
いや、後半・陣治編の十和子の少女性・涙の演技にはぞわぞわ震えました。奇しくも「生まれ変わり」を感じさせるセリフもあった。
えっ…?って思うけど、やっぱりそういう生まれ変わりって、腑に落ちる。ミステリーですので、どうミステリーなのかはぜひ観てほしいところです。
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藤吉は樹海の中で
根本敬「樹海」を見に、飯田橋のミヅマアートギャラリーへ。
鉄工島フェスでお披露目すべく、5月から制作に取りかかられていた根本さん。
そのお披露目会にも行ってきましたが、飯田橋では会田誠さんとのトークイベントがあるということで、少しの不安を抱えながら赴きました。
なぜ「不安」なのかというと。美術のこと全然わからない私。
何をどう見てどう感じればいいかというところのプレッシャーがいつもある。
全身で「美術してます」という人たちと、相当距離があるわたし。
創作してる人・創作していないわたし。「ここにいていいのだろうか」という不安な気持ちは、作品から受けるパワーとで結局相殺されてもまだ、少しだけ落ち込むことも多くて好きになれない美術界隈。
しかしお2人の・特に根本さんのトークは面白かった!笑った!
根本さんからトーク引き出した会田誠さんの、「なんか引き出しちゃった」「なんのこっちゃ?」って顔が絶妙だった。会田さんが言ってらしたのは、「自分ですらも」作品の価値をトークでもっとアップさせようという気持ちが働くのに、根本さんは逆に価値を下げるようなことばかりおっしゃると。
それは褒め言葉なのだと私は受け取った。本当に根本さんは、会田さんに「樹海」のコンセプトなどの質問を受けても「なんのこっちゃ」って返しばかりで…。
「樹海行ったら首吊り死体本当に発見しちゃって」
「死体見たら、なんかハイになっちゃうっていうか…」
「やすらぎの郷見てからの6時間(1日の制作時間)」
「石坂浩二が若い女の子からのハートマーク付きメールに浮き足立ってんだ」
「(制作に疲れて)ついに俺にも帯状疱疹が!と思ったら、パンツのゴム跡」ただ、会田さんが「愚問ですが…」と断りを入れたうえでの質問。
「この絵についてのメッセージ」について。「俺は漫画家だから、見た人をおもしろくさせたい」
グッときた。
そう、おもしろいこと感じられそうだから赴いた。根本敬さんの「生きる」という漫画の主人公、村田藤吉のこと。
漫画全部読んだわけではないけども、村田藤吉がどういう男なのかちょっとは感じられる。
「社会の一員」としてなぜか認識されてなくて、会合にも呼ばれなくて、いわば疎外されている。
人ごみの中にいてもいつも押し出されてしまうような小心な男・藤吉。トークイベントのあと、「よかったら根本さんといろいろお話ししてください〜」と主催者は言ってくれたけど、すぐ囲まれる根本さん。
そのとき私は、藤吉の着ぐるみの中から社会を見てる心地。私も近くに行って、何かお話ししたいけど・・・
しゃべることなんて何も浮かばない。
絵の感想も、とんちんかんなこと言いやしないかと思うと怖くて口を開けない。
後ろに、どんどん後ろに下がるしかない。私こそ紛れもなく村田藤吉で、だからこそ根本さんの描くもの・綴るものに惹かれるわけだし、何より根本さんの描くワールドの主人公的でありたいはずなんだ、私は。
だとしたら、やはり羨ましがる側であることは宿命であり、「かけ離れてる」という距離感も”自分らしい”んじゃないのかな。
そこになぜだか涙にじみそうで。
でも私が村田藤吉でなくなってしまったら、物語は終わりを迎える気がするのだから。それでも根本さんが1人になったらば、思い切って私が感じたことを伝えてみようかなと思ったんだけど、結局それはできず。
大勢に囲まれる根本さんを背に、画廊を後にした。
あぁ、今なんて藤吉的。
薄暗いお堀の脇を、せめて「トボトボ」ってムード出して歩いてみようか。
トイレも行きたい。下腹部が突っ張る。それも込みで、藤吉的じゃないか。↓↓↓ ほとんど精子で埋め尽くされているのに、ここだけ黒の余白。
「宇宙みたいですね」って本当は話しかけたかった。

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横尾さん
横尾忠則さんの本を1冊読み終えました。
私が横尾さんのことをちゃんと意識したのは、岡村ちゃんとの結婚についての対談でした。
「結婚とは?」「なぜ結婚するのか?」などについて、誰とも違う答えだった横尾さん。
しかも子を持つことは「カルマ」と言っていた。「持たない方がいいんですよ」と。
この答えに衝撃を受けたと同時になぜか救いのようにも感じたりして。その後、横尾さんのツイートを目にしたのをきっかけに、横尾忠則さんがどっぷり気になってしまってるこの夏~秋です。
この本の対談相手は実に豪華。
淀川長治、吉本ばなな、中沢新一、栗本慎一郎、河合隼雄、荒俣宏、草間彌生、梅原猛、島田雅彦、天野祐吉、黒澤明。特に気になった草間彌生さんとの対談。
草間さんが「この対談を私はもう降りたい」とおっしゃられたというエピソードを書評で目にして、すごく興味を持ったのでした。
そしてなんたってタイトル。
「見えるものと観えないもの」横尾さんのつぶやきでも、目に見えないことをすごく大事にされていることは感じられた。
しかし予想を超えてダイレクトに、いろいろ体験されていらっしゃる。
幽霊、UFO、霊媒師。
そして宇宙的存在の作ったカリキュラムに5年取り組んだこと。対談者も大抵その世界を肯定されていて、同じく幽霊やUFOを見た方もいれば、不思議な夢のお話をしてくれる方もいる。
草間彌生さんとは話がかみ合わないながらも、草間さんこそ霊的なものをよく目にしてらした方。
そこに共通点があるのに、アートへの考え方は確かに全然違うものでした。そしてこの間放送の「探険バクモン」
そこで聞いた横尾さんの生年月日に「ん?」と一瞬フリーズした。
横尾さんはうちの母と同い年で、しかも誕生日が3日違い!
私が横尾さんに強い親しみを覚えたゆえんがわかった気がしたし、それと同時に「なぜこんなにも違うのか」と、母と横尾さんは。母は目に見えないものについて特に真剣に捉えてない人。
占いなど、私が勉強してること全般否定は決してしないけど、いつでも「ふ~ん」って格別関心もなし。横尾さんはかなり「直観」ということを大事にされている。
そして「目に見えないもの」を、もしかしたら「見えるもの」以上に大切にされているんじゃないかと感じるほどで、横尾さんが描いてきた絵も「自分が描いたかわからない」とまで言う。「何かによって描かされた」「”これは俺が描いた”と思ったら、もう人を感動させないと思う」と、守護霊とかもっと大きな力が自分を通じて描かせているんだと、そこが誰と対談しても一貫していた。
母は表現欲とか一切ないです。
コーラスはやっているけども。横尾さんのホロスコープ

蟹座マジョリティーですね。
横尾さんはテイルー太陽金星合。
金星ってとこが「アート」、しかもあの世的というか精神世界的というか。
なんだか気持ち悪いという印象を抱かせるような作品も、多数描かれてると思うのです。
太陽ってとこが、それらを職業にされたことと結びつく気がします。横尾さんの本を読んで興味深かったのが、「模倣」が横尾さんの絵の出発だと何度もおっしゃられていたこと。
蟹といえば模倣なのです。独創的で個性的な絵を描くことに興味がなく、すでに日常にあるものを切り取ってコラージュ作品にされたり。
草間彌生さんとそこがまったく違ってて、草間さんは「人の作品を模写したりコピーなどはいっぺんもない」とおっしゃる。
草間さんはオリジナリティーの牡羊座だからでしょうね。草間さんが「(アンディ・ウォーホルなど)彼らのあの作品のヴィジョンはみな私から来ている」「私がその先駆者だった」「私がオリジナル」とおっしゃるところは、ことごとく横尾さんの考えとは正反対。
それでもしばらく草間さんを立てているように見えた横尾さんだけども、「日本の画壇のレヴェルが低い」と草間さんがおっしゃったあたりから、もう沿える部分を見つけようとすることをやめたのか、「自分はそうは思わない」と、がらっとムードが変わった。横:レヴェル?何を基準にしてレヴェルと言うんですか?自分がその作品をどれだけ愛して描いたかということのほうが大事でしょう?
はっきり言って僕は人のためとか社会のために絵を描いているわけじゃない。草:(死んだら作品が)でも残っちゃうわけよ、現実として評価されるわけです。
作品が人格を持ってひとり歩きすることが怖いんです。そのときに作家の価値が決まるわけなんですよ。
横:それは残れば残ったらいいですよ。僕にとってはいまこの瞬間、ここで話しているこの時間が一番大事なんですよ。やっぱり横尾さんはそういう方だった。
横尾さんは絵を描くとき「巫女になってる」と何度もおっしゃるけども、横尾さんからあふれる女性性がピュアなものであればあるほど、「人の上に立つ」という意識など意味をなさないことはよくわかる。
やっぱそういう人が好きで、つい信頼してしまう。吉本ばななさんの対談では、吉本さんが占いが得意なんだというお話が出てくる。
小学校の頃からタロットを習っていて、今でもよく相談を受けるばななさん。横:占いっていうのもいろいろあるけど、本当に神様とコンタクトしてる人の場合は、その人は単に受信装置になるだけだから。
吉:そうみたい。言ってること覚えてないとかね。「そんなこと言ったかしら」ってなるんですよ。横尾さんのことがもっと知りたくて、本屋に走るのももどかしくつい検索してしまったワード。
「横尾忠則 宇宙人」
そしたらばこの本に書いてあることよりもっとディープな横尾さんのお話がヒットした。
その中でも特に目についたこと。UFOを目にしたいという強い執着があるうちは現れてくれなかったけど、執着から解かれたらそれはやってきた。
時間がかかったのは思いが強すぎたからだそうで。
執着はバリヤとなってしまい、それが強すぎると何も信じてない・伝えてないのと同じことになると!!そう、執着はよくないと、この数年でも何度も聞いてきたことですが、宇宙人がそう言っているのならやっぱりそうなのか…。
伝えすぎても伝えてないことになるなんて!!
でも「信じてない」っていうのは、確かにそういうことかもしれないですね。横尾さんは自分のラッキーナンバーが「7」だとおっしゃってたけど、おそらく生年月日を全部足した数字かな(1936年6月27日)。
私もホロスコープで7度惑星3つ持ってるから、7は特別な数字。
その共通点で思わず喜ぶ。
